RISA

台風家族のRISAのネタバレレビュー・内容・結末

台風家族(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

YouTubeで30秒予告編だけ観て、映画館に行きました。

父親が銀行で強盗事件を起こしてすぐ、母親とともに行方不明になり、晒し者になった3男1女の兄弟のお話。
性格がまったく違う兄弟4人。事件以来、疎遠になっていた兄弟4人。

そんな彼らが数年の時を経て再会し、両親の遺産争い、他人から見れば一周回って笑ってしまうくらいの欲と欲のぶつかり合い(喧嘩)が続く。かと思って油断していたら、事件当時、ちょっとした偶然が重なり事件が"起きてしまった"という誰も知らなかった真実が後半一気に明らかになっていく。
前半の人間のゲスさやおちゃらけたような雰囲気から一転して、悲壮感に包まれる。のに、そこからの疾走感!!!!!
両親の行き先の検討がつき、台風の中、両親を探して爆走した全員が救われるハッピーエンドでよかった。

リストラ、若き実業家、離婚、フリーター。
みんなそれぞれ愛おしかったけど、中村倫也さん演じる末っ子千尋が一人で両親の葬式の手筈を整え、YouTuberとして兄弟喧嘩からあんなシーンまでライブ配信してまで生きている爪痕を残そうとしたところが大好き。
この日が友引だった意味も、前半と後半では受け取られ方が違った。こういう小さな伏線みたいなものが散りばめられていた。

正直、予告編だけでは草彅さんをはじめとする主要キャストの色がバラバラな気がして、しっくりきませんでした。
けれど最終的には、彼らでしかこの映画は成立しなかったかもしれないと思わせられたし、キャスティングの大事さがよくわかった。
いい違和感というか、誰一人として重ならない個性のおかげで真実が分かってからもどんよりとしすぎず、素晴らしいエンターテイメントになっていた。

パンフレットを作ってくださってありがとうございます。そして、この作品を映画館で観られて幸せです。

※作品の設定が細やかで言葉にしきれないのが悔しい。。
RISA

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