ぱんたかはし

おいしい家族のぱんたかはしのネタバレレビュー・内容・結末

おいしい家族(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

んーーーーそうだなぁ。なんか、今の現実社会に生きているからか、全部ファンタジーに感じてこのモヤモヤ感なのかな。そら、誰がどんな生き方したっていいし、家族の在り方だって人それぞれに定義したらいいと思う。LGBTQの映画…的な感想も見られるけど、私は全然そうは思わなくて、お父さんという人生はそのままに「お母になりたい」という気持ちが生まれた理由は、別にゲイだった、バイセクシャルだった、トランスジェンダーだった、とかそういう理由じゃなくてもあると思うし、お母さんそのものになる事でお母さんを愛すというカタチもあるんだと思う。
無理矢理、理由やカタにはめないで、それをあの島の人達のように「良いじゃない、あなたはあなたのように生きたら」と皆が何事も無いように、そこに在ることをそのままに受け入れられたら、そりゃあそれ以上に良いことはないよ。

そういう理想郷みたいなのをぶっ込んで、だけど現実はそうじゃない。「お父さん、結婚しようと思う。だけどここは小さな島だ。世間の目もあるし養子に迎えようと思う」と言っていたけど、世間の目もあるからではなく、制度として結婚できないのよ。そういうのなんか全部置いといて、なんかいい感じ。っていうのがモヤモヤしつつ、まぁでも一家族や一個人が社会どうこう置いといて、それぞれの幸せを定義しそこで生きていくことができるようになる、ということ自体は喜ばしいことだしなぁ…となんかここらへんのバランス感覚が分からなくなっている。気持ちのせめぎ合いの映画だなぁとか考えてたら、監督のインタビューの中に「島なら海に隔絶されていて、もしかしたら世界のどこかにこういうすばらしい島があるんじゃないか、全く新しい世界を作れるんじゃないかっていう気がしたんです。」というワードがあって、やっぱりあえてそういう社会から断絶された価値観の島を作ったんか…?となったとさ。