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ボーダー 二つの世界のchsyのレビュー・感想・評価

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
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渋谷の映画館で上映後にパンフを買い求める人の多さ。それだけ難解さやなんだこれ感の強い作品。
カンヌ「ある視点」賞に納得しつつ、「視点」の意味や角度に再考を迫られる。

北欧民話に出てくる妖精、トロル。「三匹のやぎのがらがらどん」とか懐かしいです。
この童話でトロルは悪役よりではあるけれど、三匹の子山羊が成長するために乗り越える障害みたいな描かれ方。

本作でも人間の前に立ちはだかる「境界」=「ボーダー」を超えるには、多様な世界から真実を嗅ぎ取る柔軟な発想が必要といっているのか。
主人公と謎の男は似ている。二人ともいかにも視力が悪そうだが、それは視覚に頼りすぎな現代人への警鐘。
裸で川に入り、水の中で悦ぶシーンが印象的。目ではなくその他の感覚で。頭を柔らかく。身体で自然を感じて。

日頃から森に入ることの多い私には馴染みやすい作品。好きだったな、パンフは買わなかったケド。
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