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ボーダー 二つの世界のQTakaのレビュー・感想・評価

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
2.5
これは、ファンタジーなのか?
あるいは、オカルトなのか?
それとも、何かの警鐘なのか?
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なんだかわからないものを見せられた気がする。
ホントに訳がわからんかった。
容姿の美醜、罪の有無、ジェンダー。
様々に判断あるいは差別される社会が浮かび上がってくる。
この世は、何事も比較して、区別して、優劣、勝ち負けでできているのか?
そんなこの世界を新たな光で照らそうと言うのか?
それにしては、悪趣味がすぎるんじゃないか?
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人類ではない何か達(”トロール”と呼んでいる)が人類に戦いを挑むのか。
その場合、集団を形成して、対立構図を形成するのじゃないのか。
ところが、”トロール”は群れない、集団を作らない。
だから、「人類VSトロール」という構図にならない。
そこで、”トロール”の男(実は女)は、”復讐”という戦いを選んだ。
そこに、人間の醜悪な行動が複雑に絡まる。
”トロール”が突きつけた対立の姿は、何を顕にしたのか。
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人類とは別の存在”トロール”
それは、森の妖精なのか?
森の中を裸足で歩く姿は、その容姿とは別に、妖精なのかもしれない。
しかし、二人の”トロール”が向き合い、絡み合う姿は、まさに野獣のそれであり、その声は野生の叫びだった。
そして、復讐を糧としたその姿は獣でしかない。
その憎悪が人類に向けられた時、そこには対立しかない。
それは、絶望的な対立。
自らの出自に気づき、”トロール”としての自分を受け入れた時。
はたして、人として生きるのか、”トロール”として生きるのか。
その”トロール”は、森の妖精なのか、野獣なのか。
その生き方は、憎悪に塗れた獣の姿なのか?
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北欧の伝説は、こんなヘンテコなの?
もう、訳わかんなくて。
映画の進行には付いて行けたけど、どうも展開のリズムに乗り切れなかった。
終わってみて、そのストーリーの面白さはわかったけど、映画そのものは楽しめなかった。
映画祭の「ある視点部門」で受賞していたということだけど、いったいどんな視点?って思った。
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地球に人類とは別の先住民がいて、人類にその居住地を追われ、ある時反攻に出ると言う話。
どこかで聞いたなぁと思っていたら、ウルトラセブン第42話「ノンマルトの使者」だった。
”ノンマルト”は、地球の先住生物。
人類によって、地上の居住地を追われ、海底に住処を得ていた。
その海底に人類が開発の手を伸ばしてきたところで、ノンマルトは積年の恨みを晴らそうと反攻に出る。
その開発を人類は正当化し、ノンマルトは侵略と受け止めた。
相容れない、理解し会えない者が、接触したときに、そこには対立しかないのか?
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