Brynhildr38

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイのBrynhildr38のレビュー・感想・評価

3.4
「逆襲のシャア」後の世界を舞台に、地球連邦政府に反旗を翻す組織マフティーを率いるハサウェイ・ノアの戦いを描く3部作の1作目。

皆様のスコア評価高めだったので期待して観たのですが、私の感性には合わなかったのか・・・面白くない。
「ガンダムが好きなら面白い」「アニメが好きなら楽しめる」というコメントには、いやいや私もガンダム好きだし、シャア専用ザクのガンプラも嬉々として作ったことあるし、「逆襲のシャア」も観てます。でも・・・

キャラのセリフが思わせぶり過ぎ、ヒロインのギギが感性鋭いことを描こうとする中で諸刃の剣で情緒不安定に見えてしまい魅力的に見えない等々、理由をいろいろ考えたのですが、突き詰めると・・・ハサウェイの「顔」が好みではないから?

「そこかよ!」と、自分で突っ込み入れたくなるのですが・・・

それがなければ、中盤と終盤のMS戦の描写は緻密で感動的。全方位スクリーンによるコクピット視点での描写は、今までも見たことはあるけど、今作品においては戦闘の臨場感が突出して凄いと思う。本当に自分が操縦席にいるような感覚(≒錯覚)を体感することができる。特に中盤でのガウマンと終盤のレーン・エイムが撃墜されるシーンはかっこ良すぎ。また、市街戦においてはMSの破壊力と重量感が人間のサイズとの比較でしっかりと表現されているし、MSペーネロペーが「怪獣」のような特別な存在として描かれているところも最高。他にも凝った構図とそれにシンクロする音響。本当に「こんなガンダムが観たかった」と口にせずにはいられない。

でも・・・

やっぱり、ハサウェイの顔だけでなく「行動」も受け入れ難い。反政府組織のリーダー格と言うなら「若さゆえの過ち」とは言ってられない支離滅裂レベル。さらにマフティーって、テロによる殺戮を実行している組織と言いながら、何だかリチャード・ギアの「愛と青春の旅立ち」かトム・クルーズの「トップ・ガン」張りの青春映画の羨ましい限りの雰囲気を醸し出していて緊張感薄くて、それでは連邦のケネス大佐にやられちゃうよと思ってしまう。

とは言え、物語の密度は濃く、何だかんだ言ってもガンダム好きなので、原作では衝撃的なラストが待っているのを知った上で次作以降に期待したい。逆シャアからのリアルで33年分のこれまでにないカタルシスを是非とも感じさせて欲しい。

あと、やっぱり画面は出来るだけ明るめでお願いします。
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