けーはち

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイのけーはちのレビュー・感想・評価

3.9
テロ組織「マフティー・ナビーユ・エリン」の首魁ハサウェイ・ノアを描く「機動戦士ガンダム」続編作。荒廃が進む地球で市民をスペースコロニーへ強制移住させる組織、通称「マンハンター」が跋扈する中、腐敗した体制と戦うテロ作戦を展開するのが、逆シャアで地球を救ったリーダー、ブライト艦長の息子なのが皮肉。テロが主題だけに今までになく市街戦の被害や民間の犠牲などが精緻。また他人を見透かしたようなニュータイプのファム・ファタールに主人公らが揺さぶられる展開はガンダムの名物。不思議ちゃん美少女が男を手玉に取る、それだけとも言えるが、ロボットアニメに大人のドラマの味を加える。もちろん動画・音楽・演出含めて作品全体ウェルメイド。ロボものとして観ると最後に少し主役機が出てきて小競り合いするのみで物足りず、正に三部作の序といった様相だが、破滅に突き進むのが確定している陰鬱な先行きを考えると、今作が一番良かった、となる可能性も高い。