人は何故生まれてきて、人を生むのか。
この映画では、全ての出来事を意図的にデフォルメして映している。
主人公の心情を全部ナレーションとテロップ、独り言で表してしまうというある意味潔い演出も、後半で出てくる常軌を逸した場面もそう。本当は悲劇であるはずの出来事をコメディとして表現することで、逆説的に悲劇の本質を描こうとしている。それが成功しているかどうかは別にして。
主演の岡本綾も実在感のある自然な演技で、この映画の世界観そのものに何となくではあるけど説得力があるように見えるし、作品に込められたメッセージ性があるような気もしてくる。しかしこの映画にあるのは深いメッセージではなく、普遍的な共感だけだ。
あと、映画自体とは関係ないけど、Amazonビデオで視聴すると、この世の終わりみたいな144pぐらいの低画質なのが気になった。画質が悪すぎてアップにならないと役者の顔がはっきり見えない程。DVDでもこんな画質なのかな?