2023年、132本目。
事件をきっかけに人生を奪われた女は復讐心を燃やす。
人生に想定外はつきものだが、真っ当に生きる人にこんなのあんまりだ。
静かな物語の中でマスコミのクズさが際立って怒りが込み上げた。
愛してもらえないならいっその事、傷つけてしまおう。そういう想いはわからなくもなかった。
果たして密かに絡みついた恋心の暴走を止めることはできたのだろうか。
筒井真理子の幸薄そうな線の細い女性像が役柄にぴたりとハマっていて、惜しげもなく出した裸も美しい。
普通の50代後半の女性なら成り立たない復讐。
ラストシーンのサイドミラーに映る横顔は吹っ切れたような、清々しい顔にも思えた。
あと、池松壮亮の声ってこんなに色気があったんだと初めて思った。