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ワン・ミス・コールのkanacoのレビュー・感想・評価

ワン・ミス・コール(2008年製作の映画)
2.9
Jホラー「着信アリ」をハリウッドリメイク。ストーリーはオリジナルに割と忠実。でも恐怖演出が「幽霊や被害者の死に様」にインパクトを置いた日本版に比べ「モンスター・クリーチャーを頻出させる」という表現に寄っており、Jホラー特有のジメジメ感は少なめかも🤔私は日本版の方がやっぱ好きかな?(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
友人たちとパーティを開いていた大学生ベス。楽しい時間の中、友人レアンの携帯電話に聞き覚えのない不気味な着メロが流れる。不可解なことにその着信は先日に事故死した友人シェリーからであり、着信日付は3日後、そして留守電にはレアンの悲鳴が録音されていた。そして3日後の着信日付の日時、ベスの目の前でレアンが悲鳴を上げて事故死する。しかも、今度はレアンの元カレであるブライアンに、死んだ後のレアンから着信が…。ベスの周りで怪死が続き、やがてベスの元にも死を予告する着信がやってくる…。

❶原作に準拠だが幽霊映画からクリーチャー映画へ

流行したジャパニーズホラーのうちの1つ秋元康原作・三池崇史監督の「着信アリ」を2008年にハリウッドリメイク。ジャケットにいる“異形の者”の顔に全く覚えがなかったため、リメイクとは言えオリジナル要素が強いのかと思ったが、ストーリーラインは「着信アリ」にかなり忠実。

ただし、怪奇現象が幽霊・もしくは被害者の死に様にインパクトがあった日本版に比べ、ハリウッド版は幽霊というよりはモンスター・クリーチャー的造形の“異形の者”を頻出させるという恐怖表現に寄っており、Jホラー特有のジメジメ感はない(まぁ、「着信アリ」自体、Jホラーの中では設定が多くごちゃっとしているため、ジメジメ感はライトな部類かもだけど…)。日本版が112分、ハリウッド版が86分へ時間も短縮されているため、駆け足でありシンプルになっている気がした。

❷着信音や死亡演出のインパクトがやや控えめか

本作は「不気味な着メロで死の予告が届く」というのが掴みだと思うので、その着信メロがけっこう大切なのだと思う。でも個人的には今作の着メロは不気味に思わなかったし耳にも残らなかった。携帯にデフォルトで元々収録されている着信音みたいな感じ…。鳴る度に「なんか、お風呂が沸いたのをお知らせしてくれるような着信音だなぁ」と思えてしまって、後半は「すごい風呂湧くじゃん…♨」みたいな呑気な気分になってしまった。日本版はあんなに耳に残ったのになぁ。少なくとも日本版の方が“メロディー“っぽい。

また、被害者の死に様も日本版の方がインパクトは勝つかも。エレベーターとか、TV出演時のポキポキなど、強い演出とそうでない所の差が大きいため目に焼き付く。一方、ハリウッド版はそういう強ポイントは置かずに、全体的に“異形の者”を配置するタイプ。“異形”が頻出するのは楽しいし、その出で立ち自体は嫌いではなかったが、シーンとしてはどれも一定な感じがしたし、いよいよ死ぬというところは割とあっさりに感じた。

❸キャラクターの動きにやや違和感

キャラクターの行動がどうもしっくりこないのは集中を欠いたかも。そんなことするかなぁとか、言うかなぁという場面が、チラホラあって、都度引っかかってしまった。

📱🐝「思っていたより“着信アリ”でした。日本版とハリウッド版の違いとして、ホラーアプローチがそれぞれの“国らしさ”が出ているので、その比較としては面白いかなと思います。個人的には設定がちょっと散らかっていても日本版の方が好みですし、着信メロも日本版の方に軍配が上がるかなぁと思いました」
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