天豆てんまめ

イン・ザ・ハイツの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
4.2
今日も暑い。暑すぎる。。
猛暑真っ盛りの真夏☀️

でも海にも街にも行きづらいコロナ禍に猛暑を吹き飛ばす熱いミュージカル映画「イン・ザ・ハイツ」存分に堪能できて良かった!

心の芯から熱くなれるミュージカル🔥

物語の舞台となるのはニューヨーク“ワシントン・ハイツ”。

音楽が日常に溶け込んだ移民の街で育ったドミニカ生まれの主人公のウスナビ、彼が恋する美容師ヴァネッサ、スタンフォード大に通う秀才ニーナ、ラップがうまい黒人ベニーの4人の若者たちは、それぞれ厳しい現実に直面しながらも夢を追っている。

夢と現実。誰にとっても共通する普遍的なテーマで感情移入しやすい。

4人の若者たちのの夢と現実がぶつかり合う発火が心を揺さぶる。彼らから迸る魂こもった歌唱とダンスが見どころで冒頭10分から一気に引き込まれる。「イン・ザ・ハイツ」タイトルコールへの歌と群舞や中盤のプールでの色鮮やかなダンスシーンも圧巻!

ワシントン・ハイツの街並みがもう一つの主役のように彼らのストリートな日常が活き活きと描かれ、彼らの日常から生まれるラップやR&B、カリビアンミュージックがとてもミュージカルに合い、ノリノリにさせてくれる。

また全編、歌やダンス自体を通してドラマが語られる感じが、ミュージカル映画あるあるな不自然な歌い出しもなく、より感情がストレートに伝わってくる。

音楽だけでなく人間ドラマも力強かったと思う。ウスナビら街の住人は地価の高騰により住居を追われるリスクもある中で夢と現実の狭間でもがいている。

ちなみに辛口で知られる映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では満足度99%を記録して「アカデミー賞間違いなし。10年に1本の傑作ミュージカル。いま世界に必要なのはこの感動だ」と絶賛したようだ。

監督はジョン・M・チュウ。「クレイジー・リッチ!」でも楽しめたノリの良いエンタテイメント感がこの映画にも発揮されてて良かった✨

原作はブロードウェイの同名ミュージカル。演出のリン=マニュエル・ミランダはピューリッツァー賞、グラミー賞、エミー賞、トニー賞の受賞歴があり、ミュージカル版はトニー賞4冠とグラミー賞を受賞した才能溢れる演出家だ。

彼はプエルトリコの移民の息子でワシントン・ハイツに実際に住んでいたらしく、ミランダ自身も路上売りのおじさん役で美声を聴かせてくれた。

久しぶりにミュージカル映画を観たが、やっぱり、この映画は劇場で観て良かった。

劇場の暗闇に身を置いて、スクリーンで躍動するダンスとエキサイティングな音楽に浸る感覚は夏フェスのライブ感に似た楽しさがある。

そして、音楽に包まれる多幸感に満たされた✨

この冬にはラテン系ミュージカルの元祖でもある、スピルバーグの「ウエストサイドストーリー」リメイクも今から楽しみだ。