英語って本当に、音楽に乗る言語だなと思う。
滑らかで流れるような発音が可能だからなのか、強弱がはっきりして言語自体に抑揚とリズムがあるからなのか、音楽に無理なく馴染む。
韻を踏んでもめちゃくちゃかっこいい。
ニューヨークの中南米系移民を描いたトニー賞4部門受賞のミュージカル。
移民問題を扱った映画、というと、差別、過酷な労働、社会保障、不法移民、犯罪などの過酷な現状にフォーカスした、重くて暗くてずしんとくる映画が思い浮かぶ。
愛国心と誇りとアイデンティティをパワフルに、前向きに、アグレッシブに歌い上げた、こんな真っ直ぐで明るい作品は初めて。
ミュージカルはこうでなくちゃ。
祖国への熱い想いや、自身のルーツに対する誇りは、自分には深いところまで理解できない。
それでも、スクリーンから溢れ出すような強烈なパワーをもって伝わってくるものがあった。
これはぜひ映画館で。
ただ、なんというかあまりにも真っ当で、あまりにも完成され過ぎていて、自分にとっては「心に残る映画」にはならなかった。
予告編がものすごく良かったので、本編ももう少しコンパクトだったら良かったかもしれない。