空海花

イン・ザ・ハイツの空海花のレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
4.0
トニー賞4冠、グラミー賞受賞のリン=マニュエル・ミランダのミュージカル“IN THE HEIGHTS”の映画化。
ニューヨーク・ワシントンハイツを舞台に、その街で育った4人の若者が夢へと一歩を踏み出す。
IMAXレーザーにて鑑賞。

ワシントンハイツは移民の街。
うだるような暑さの中、ラテンミュージックが流れる。
実際のその場所でのロケは、躍動感が溢れ、熱量とリアルさが混在する。

不法移民、貧困、差別といった社会的なメッセージ。
彼らの苦境に思いを馳せると苦しくなるが
コミュニティの温かさやエネルギーを
歌とダンスに感じ、涙の他にこみあげるものがある。
今、ここに生きる、ラブ・ミュージカル!

群舞の迫力や色遣いが圧倒的で
歌やダンスはとにかく素晴らしい。
そこに息づく様々な人々、その雰囲気が伝わってくる。
主人公ウスナビを演じるのはアンソニー・ラモス。ずっと見ていたくて、ずっと聴いていたくなるような魅力があり、作品のキャラクター性も応援したくなるもの。
監督ジョン・M・チュウ(中国・台湾系アメリカ人)とリン=マニュエル・ミランダ(プエルトリコ系アメリカ人)のタッグ。
今、この夏に観るにふさわしいミュージカル映画に仕上がっている。
私はあまり人におすすめするタイプのレビューは書かないし
実は少し気になる部分はあるのだけれど
これはこの夏必見と言いたいくらいのフィット感。
やはりミュージカルは大きなスクリーンで観てほしい。
4人の若者の夢はもちろんのこと
ウスナビの従兄弟くんの希望にも情熱が溢れる。
彼らのパワーやエネルギーを存分に吸収して、それぞれの自分の居る場所から広く分かち合えたら、最高だと希望を抱いた。
エンドロールのうれしいオマケをお見逃しなく。


以下内容に触れた感想⚠️


交差点やプールの群舞シーンは涙が出るほどに昂ぶる。
ジョン・チュウ監督作品はいくつか観ているが『ステップ・アップ2:ザ・ストリート』の雨のシーンが良かったことを思い出した。
アブエラのシーンも良かったし🥲
そして壁のシーンがとても不思議だし芸術的!
フォロワーさんから特撮ではないとうかがっていたので注意して観ようと思っていたのに、途中まで見とれて忘れていた。

移民、人種差別、灼熱の夏
序盤から出てくるカウントダウン
『ドゥ・ザ・ライト・シング』が思い出される。
それで最後の爆発的な何かを期待してしまったのだけれど…
もう1つドカンとあるかなと待ってしまった。
結構爽やかに締めたな、と。。
しかしながら、全体的には好みだし、
与えてくれるものに感謝の意味を込めて加点。


2021レビュー#144
2021鑑賞No.311/劇場鑑賞#47
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