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イン・ザ・ハイツのadagietteのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
5.0
N.J. Fort Lee からGeorge Washington Bridge を渡って そのまま9a か 84に行けばいいものを Lower を渡ってしまって信号待ちに捕まると わらわらと窓拭き少年たちが寄ってくる。結構怖い。顔面を前に向けたまま、丁重にお断りする気持ちをぐっと込めて待つ数分。
ハイツ界隈の記憶は あの子供たち。

ヒスパニック系の彼らが NYCやその近郊の機能をルーティーンワークで支える層であることは間違いない。
運搬 清掃 修繕 芝刈り 言葉ができればナニー グロサリーやコーヒーショップの店員
不法移民として時々問題視しながらも、彼らナシではあの街は成り立たない。

そのコミュニティを題材に、リン=マニュエル・ミランダが学生時代に原案を考えたステージが 本作のモトになった トニー賞舞台。
もちろん ミランダが主演。
それ、見たかったなぁ〜
本作では ピラグア売りを演じています。

お話は 自分のルーツであるドミニカに戻ることを夢見るウスナヴィを中心に 移民2世のヒスパニックたちの夢追い物語?
ミュージカルですから ストーリーはそこそこでいい、
ハイツ・コミュニティの雰囲気と 歌と踊りを堪能できればじゅうぶん!
役者のみなさん ブロードウェイ出身とお見受けしましたがそうでもないのかな?
どこか長閑さのあるおおらかな ウスナヴィのラップ
現状を嘆くソニのラップの切迫感
ニーナやヴァネッサの美しいソプラノ
圧巻は みんなの母親代わりのアブエラの長い長いソロ!

どっぷりと浸れる作品でした
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