ぴよまろ

イン・ザ・ハイツのぴよまろのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
3.3
マンハッタンのワシントンハイツ地区に暮らす主に中米からの移民の人々は、それぞれの夢を持ちながらも、貧困や移民差別による苦悩を抱えており、ある夏の夜に起きた大停電をきっかけに、自分の生きる道を見つけていくという、ミュージカル作品。

抱えている背景は重いものであるものの、ラテン系の音楽とカラフルな色彩によって、明るく力強く語られる作品でした。ワシントンハイツに移り住んだ彼らにとって、この場所はよいとは言えないもので、ここから出ていくことが希望として描かれていますが、実はそうした夢や希望は、追うものではなくて、自分たちで見つけていかなければいけない、というメッセージを感じました。特にニーナが最後に見つける夢が素敵。

日本では移民が身近ではありませんが、他民族国家らしいアメリカならではの物語で、彼らの文化に対する誇りが、ラテン系らしく重くならない程度に語られるのが面白いです。そして大停電によって電力=パワーを失うも、自分達自身でパワーを取り戻していくのが本当に力強い。

故郷とは何か、夢や希望とは何かを、力強く語られるミュージカル作品でした。
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