シネマスナイパーF

ある船頭の話のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

ある船頭の話(2019年製作の映画)
-
いい挑戦だと思います
ちょうどあの小屋のような立場で、トイチさんのような映画
ディスってないですよ


冒頭のタイトル部分で、この映画はいい感じの雰囲気の音楽と風景で頑張って持たせているのでみなさんも頑張ってくださいと教えてくれる
なんなら少し血も出ますよと
ディスってないですよ
とにかく無駄を省かないことに徹している
ディスってないですよ
自然の中に取り残されることで、逆に決して失わない人間らしさや尊厳が際立つようになっている
無駄のなさを削った結果変わっていってしまう人間の怖さを描くことで、トイチに心打たれる

日本的な風景を外国人に撮らせるってのは慧眼だと思います
確かに日本のどこかではあるんだけど、同時に異世界にも感じさせるバランスは素晴らしい
場所や時代を明確にさせないバランスは衣装も然りです


何度か唐突に現れる精霊?は正直雰囲気ぶち壊しに感じた
いらんだろアレ…
これはディスってます
橋で大暴れを現実ではないとはいえ魅せてくれたのは好印象

一番あーあって思ったのは、橋から煙が!のとこでふうがなんか橋の下で倒れてますね、ってとこ
ああいう「なんかメイン登場人物の一人がどさくさに紛れてよくわかんないけど怪我して倒れてるっぽい」っていう雑な処理は本当にやめてほしいわ


安っぽさを感じさせない堂々たる作品に仕上がっていることは最大限の評価に値します
オダギリジョーさんにはまだまだ監督業に挑戦してみてほしい