デニロ

ドミノ 復讐の咆哮のデニロのレビュー・感想・評価

ドミノ 復讐の咆哮(2019年製作の映画)
2.5
新宿で本作のチケットを受け取った後買い物をしようとブラブラ歩いていると、わたしのすぐ後ろで落下物が歩道に叩きつけられる音がした。驚いて振り返ると鉄の板上の物(雨樋の幅広のような)があった。わたしの背中三歩ほどの距離だったから、1秒くらいの差で大事には至らなかった。誰に狙われたんだろう、とスパイの境地に陥る。30分ほどして戻ってみると現場にはパトカーやら消防車やらで大騒ぎ。上を見上げてもすっきりとしていて出っ張っている箇所もなく、何であんなものが落ちてきたんだろうと疑問に思う。屋上からわたしを狙って?気を付けよう。

『静かな雨』を観なかったら本作を知り得なかったろうと思う。上映館も少なく、すぐに番組も変わってしまうだろうから。それにしてもブライアン・デ・パルマの怒りの矛先は何なんだろう。今回はISに向けているようだが表層的で雑な扱いだ。もはやアメリカ合衆国では金を提供してくれるところもないからかヨーロッパで咆哮している。

デンマーク、コペンハーゲンの市警察官。女との情事の果て女とドタバタしているうちに拳銃を部屋に置き忘れてしまう。その過失から8年来の相棒の刑事を死に至らしめてしまう。そんな内面の葛藤から物語は始まるが、唐突に登場したCIAとの意味不明の駆け引きに巻き込まれるが、ちっともサスペンスフルじゃない。同僚の女刑事が何故か捜査に加わるが、実は彼女は死んだ刑事の愛人だった。と言う訳で副題は彼女の物です。

思わせぶりに置き忘れた拳銃、継ぎはぎのパン・フォーカス、スローモーション、一人称視点(おきゃんな女優をぶち殺すなよ)等々デ・パルマ印は満載ですが何しろお話が酷すぎる。ラストには『フューリー』のエイミー・アーヴィングの如くわたしの怒りが沸騰します。
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