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ドミノ 復讐の咆哮のハンスウのレビュー・感想・評価

ドミノ 復讐の咆哮(2019年製作の映画)
4.0
昨日と今日で2回観ました。2回目はいろいろ確認しながら観たかったので。私は楽しかったので星4.0をつけましたけど、この映画は制作の裏側でいろいろ問題があったらしいです。何本もハリウッド映画でヒット作を出したブライアン・デ・パルマ監督ですが、本作はまず資金集めに苦労したらしい。それから思うように作品を仕上げられなかったとインタビューで語っていたそうです。ヨーロッパをまたにかけて撮影されたというと聞こえはいいけど、MIみたいな巨大資本が投入されてるわけではないからいろいろ勝手が違うんでしょうね。

知ってる俳優はガイ・ピアースしか出てなかったけど、ジャケットの真ん中にいる主役の人は、スペインのビジャレアルにいるジェラール・モレーノというサッカー選手にすごい似ていて、ちょっと混乱しましたね。あれ、俳優に転向したのか? と冗談抜きで思いました。以上です。興味のある方は検索してみてください😄

この地味そうなヨーロッパのサスペンススリラーをなぜ2回観たかというと、デ・パルマ監督の演出がやっぱり楽しいんですよ。随所に見られるヒッチコックタッチが楽しいんです。他の作品でもやっていて初めてではないけど、カメラや照明の技を駆使してハラハラドキドキの演出がなされています。ああ、この撮影法は「裏窓」だなあ、お、この照明は「断崖」のミルクの光らせ方をアレンジしたものだなあ、などと見つけるたびに映画ファンとして胸が踊るものがあります。他にもクライマックスは同世代コッポラ監督のゴッドファーザー風。音楽はなぜかボレロ風。ボレロではないけどボレロにすごく似ている曲が流れます。これは黒澤明が「羅生門」でボレロを使っていたのをマネしたのかなあ、などと笑いながら見れるとこもありました。いやぁ〜、楽しい☺️

あとは、脚本家の力によるところもあるけど、セリフや行動で小刻みに伏線を張って、丁寧に細かく回収していて几帳面だなあ、と微笑ましく思えてしまうとこもあります。

批評家とか業界でもあまり高く評価はされていないみたいなんですけど、主人公2人の刑事の暴走がちょっとわかりにくい、伝わりにくいかもしれないですね。行動を起こす動機でもある人間関係の描写がもしかしたらカットされちゃったのかもしれません。この作品、30分以上はカットされてしまったらしいです。人間関係の説明の部分が最低限のシーンで表現されてるんですけど、それぞれ、どういう関係なのかということをしっかり観ていくと、刑事2人の行動の動機が理解できてより楽しめる……と思うんだけどなぁ😅
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