この手の映画はどうオチをつけるか難しいところですよね。
現在もまだ人種差別ははっきり残ってる以上、大団円で終わるわけにもいかないし、でも一般ウケさせるには、あまり後味悪くしすぎるのもアレだろうし。
この映画からも、そのへんの痛痒が感じられました。
結婚・妊娠・出産、そのどれもが『上流社会のコミュニティの一員として存在し、かつその中で見栄を張り合う』ための要素でしかない白人女性たち。
さらに自分の家の黒人メイドたちを公然と迫害しているその口で、「アフリカの人たちを救えるわ」とチャリティーをやってる、その盲目的な自己愛にはゾッとしました。
でも現実にいるよなあ、こういう人。
私の好きな女優さんたちも出てたけど、一番演技に目を引かれたのはエリザベス役のアーナ・オライリーかな。
劇中何回も見せていた、本心を押し隠したイヤミで優雅な微笑みが圧巻。
ところで黒人メイドと同じトイレを使うのすら心底嫌がるのに、自分の子どもをそのメイドに育てさせるのは良しとする感覚がよく分かりせん。
そのあたり、頭の中でどう折り合いをつけていたのだろう。
