皐月

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜の皐月のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

1960年代アメリカのミシシッピ州で暮らす人々の物語を小説家を目指すスキーターがThe Helpとして出版する
実際に、キャサリン・ストケットの原作がある

人種や民族差別や男女差別や宗教差別やジェンダー差別や障害者差別や社会的差別などと差別問題は今でもあって
同じ人間であっても、差別をして溝をつくり安心したいのか
いじめと同じで違うと感じる存在を差別してこちら側が優位な立場にあるとでも感じたいのか
同じ心ある人間なのに
人間は皆産まれる前は産まれてきてどういう姿で性質になるのかは分からないのに

しかし、本来は母親が家事や子育てをある程度して
それでも、生活する上で大変な部分をメイドにお願いするのだと思うが

1960年代のアメリカのミシシッピ州では白人の母親よりも家事や子育てを殆ど黒人のメイドがしていたという事に衝撃を受けた
しかも、メイドは愛情を持って誠実に働いているのに
同じトイレを使わないだの、コーヒーの手渡しはいけない、自分用の食器を使うだの
あまりにも理不尽な人種差別

その事実を、この州の問題としてスキーターが新聞社に伝え本にすると決めて信念を持ち書いていく

しかし、差別問題を書く事は白人と黒人のなかにある問題をある程度明らかにする事になる
それは、この州で弱者として扱われる黒人や黒人のメイドには覚悟や正当に戦う気持ちも必要でとても恐かったと思う
それでも、スキーターに現実を話したエイビリーンとミニーはとても勇気のある女性だと思う
その後に、スキーターに話すと決め集まった黒人のメイドの人々も

黒人のメイドに差別なく接する白人のシリーアという女性もいて
料理が初心者で夫に家事ができる女性だと思われたい気持ちから
シリーアが妊娠していて流産した時もメイドが優しく支えて気持ちに寄り添った
そういった、白人と黒人のメイドの差別のない関係性を見ていると
その方が幸せで豊かな人間関係を築ける事が伝わってくる
夫もまた差別のない男性で素敵な関係性だと感じた

やがて、スキーターの小説The Helpが出版される
様々な人々が読む

ミシシッピ州であれこれ噂になりつつ
この州の話を、よその州の話と言ったり変わらない変われない人も残念ながらいる
それは、受け入れたくない事実だからでもあるのに
と、ヒリーに対して思った

だが、変わらない差別は白人の女性の心の疲れになってるのだと
黒人のメイドも気付く
そして、やっぱり悲しいものだとも
また、子供も実の母親ヒリーよりメイドを頼りにしている

スキーターも、本当は実の母親に育ての母親のような黒人のメイドと実の母親の立場や意思により離れるしかなかったのだ
その悲しみもスキーターの本の執筆の原動力になったと思う

後に、スキーターはニューヨークの出版社で働く事で前を向いて進んでいく
そんなスキーターを母親も誇らしく思う


人と人なのに
差別はこれからもあるけれども
この映画を観て差別と向き合う強さをもらえる人がいると思った
そんな力が映画にもあるから好きだなぁと感じた
支えになる力もあるなぁと

差別がある環境から少しでも過ごしやすい場所で生活するのも良いと思う
皐月

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