宵闇之闇猫

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜の宵闇之闇猫のネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

こういうのが実際、あったんだろうなぁ。
日本は、今は、こういうのが無いからほとんど実感は無いけれど、
"人を人とも思わない"事が常識の世を変える、まさに革命的な1手が。ラプラスの箱が。

産んだのは白人の母親だが、本当の母親(育児をして愛情を注いでくれたの)は、黒人のメイドで、
でも、その白人の気に食わなかったら、その黒人のメイドは駒のように切り捨てる。実に合理的。
感情が無い、機械のように。

黒人のメイドが使った便器は使いたく無い。病気が移るから。
でも、それ以外の家事は全て黒人のメイド任せ。白人の母親は自分の欲求しか満たさない。

飾りだけの名誉に溺れ、腐った地位に誇りを持ってる。
○○喰らえ。ああ、作中では見事に喰らってくれてスカッとした。
その後の大奥様(祖母)の対応も。
「自分の名前を忘れるような私だけど、覚えている事は二つ。実の娘に施設に入れられた事と、ミニーのパイは最高って事」
ほんとに良い人だ。

個人的に以前「イヴの時間」を観たので、少し、白人から黒人メイドへの対応や考えが嫌なほど重なる。今となっては、こういう考え方になるけれど、当時なら白人達の対応に似た反応をしていたのだろうか…?

スキーターを育てたコンスタンティンを、間接的に殺したシャーロット(母親)は、ずっと悔やんでいただろうし、作中に登場するTHE HELPの本を見て、色々考えたんだろう。

スキーターの本に協力する為、ミニーが呼び掛けにエイビリーンの家に集まったメイド等を見て、胸が締め付けられた。彼女等にとってそれはとてもリスクが高い事だから。

シーリアみたいな夫婦も、本当に素敵だなと。

色々、書きたい事もあるけれど、
これは何度も観直す必要があるくらい、暗い問題、題材だけれど、
よく出来た映画だと思う。
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