『ヘルプ』
白人の子を育て、白人の身の回りのお世話をする黒人メイド
この作品をみて思うことが
この時代は人種差別というものに疑問を持っていても周り合わせないと自分へ非がくるという恐ろしさです
この『ヘルプ』の方達、実は全ての白人を憎んでる訳ではないんですよ
題材としては黒人差別を掲げてますが
中にはメイドから見た旦那様、奥様、大奥様の良いところや優しさを挙げてる方も居ます
逆に言えば黒人に対し思いやりがあり同等に接してくれる白人も描かれている訳です
しかし「黒人と同じ場所で食事をとっては行けない」「同じトイレを使ってはいけない」などその他多くの差別を作り上げた国があり、いくら良い白人が居ようともそれに反しては周りの目が許さないという事が恐ろしいのです
他にも黒人差別についての作品は見てきてますが、私が今まで見た作品の中では
大抵は黒人差別＝白人自体が悪いというように作られており
人種分離法が悪いというものは大きく取り上げられてなかったです
もちろん根元から見てみればそういう物を作った白人が悪いという事にはなるんですが
この作品のような別視点での人種差別の恐ろしさを伝えてる作品は中々の無いかと思います
残念ながらこの作品はフィクションであり、「そうであったと思いたい」などな気持ちで描かれてるかもしれませんが
原作の作者も映画の監督も同じ舞台の10年後に生まれており少なくとも何かしらの経験はあったんじゃないでしょうか
白人の酷さ、恐ろしさより
人種分離法という人種差別の恐ろしさに加え、それによって白人へも影響があるという事を教えてくれるので
他の作品よりは消して軽い訳では無いですが重すぎる事もないので是非見てほしいものです
