ちぇりー

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜のちぇりーのレビュー・感想・評価

4.5
「白人は小さいうちは可愛い。大きくなったら悪魔」


黒人奴隷が普遍的だった時代(未だに人種差別は蔓延っていますが…)。
白人ママはパーティ三昧。子供を一日に一度しか抱かないママ失格揃い。子供たちは皮肉にも、ママが差別している黒人メイドに母親以上の愛情で育てられるけど、子供が大きくなったらママと同じように黒人をこき使う。現実は非情で或る。

本作で頻出した〝トイレ問題〟。下らなさそうで、何気に生々しい問題。衛生周りとは、心の許せる者しか使って欲しくないからなぁ。人間としての厭らしさが強く表れていた箇所でした。

かつて黒人メイドと強い絆で結ばれて育った男勝りのライター・スキーター(エマ・ストーン)。
ちょっとおバカだけど悪意というものを知らない、なんだか憎めないシーリア(ジェシカ・チャスティン)。
黒人に対し、あまり差別意識がなかった白人勢の二人。二人とも、真っ直ぐなんですよね。

また本作では、男性より女性の方が差別的な描写が目立った気がするが、リアルでもそうなのかもしれないというちょっとした恐怖を覚えた。


登場人物全員が個性揃いで、しかも役者全員が優秀すぎるお陰で、重いテーマをコミカルな感じに仕上がっており、誰でも観やすくなっている。

個人的には、エマ・ストーンさんの可愛さは勿論。本作のヴィラン的位置であるヒリー(ブライス・ダラス・ハワード)がMVPです。笑っちゃうくらい腹立つ嫌な女だけど、彼女が居なかったら本作の魅力は半減だったと思います。ジュラシックワールドのヒロインと同人物と知って驚き。流石、女優。