温泉たまご

15ミニッツ・ウォーの温泉たまごのレビュー・感想・評価

15ミニッツ・ウォー(2019年製作の映画)
3.5
2021-37

アフリカのジブチで、独立派武装組織が軍関係者の子供たちが乗るスクールバスを占拠する。フランスからの独立や政治犯の即時釈放などを求めるテロリストたちは、要求が退けられた場合子供たちののどを切ると通告する。フランス政府は、ジェルヴァル大尉(アルバン・ルノワール)が率いる選りすぐりのスナイパーで構成された特殊介入チームをひそかに派遣する。


運転手に挨拶をして、スクールバスに乗る子供たち。「おはよう。」学校に着くまで、持ってきた人形でごっこ遊び。それを楽しそうに眺める運転手。
学校では、教師が授業を始める準備をして、子供たちが来るのを待っている。
そんな平和な日常。

スクールバスに乗り込んできたテロリストたちは、国境までバスを走らせろと要求する。もうすぐ国境というところでバスは停車。ここから、テロリストと特殊部隊の我慢比べが始まる。

特殊部隊は今すぐにでも撃つことが出来る体勢は整ったというのに、肝心なフランス政府から命令がおりない。
待った待たないのやりとりが続き、そこに関してはすこしやきもきさせられる。目の前の子供たちは1秒でも早く助かることを望んでいるのに、お偉いさんたちの事情(外交)が絡み、なかなか進まない。
こういうときに1番犠牲になるのは、子供たちのような力を持たない弱い存在なのだと思い知る。
思い切った一斉攻撃からの15分、が手に汗握る。
基地に帰って英雄のように出迎えられたけど、彼らにとってそれはとても腹立たしい歓迎だっただろうな。

実話をベースに作られた今作ですが、フランス政府はこの事件の子供たちや家族を“テロ被害者とは認めていない”そう。
国境を越え、権利者の解放を目的としたバスジャックで、子供たちを人質に取り、銃撃もされているのにテロではない?意味がわからない。

なんとも言えない感情に襲われるけれど、この件に関して、何を見ても聞いても、今後すっきりすることはきっとないんだろうな。