深獣九

劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明の深獣九のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

アニメ版第二期開始にあたり鑑賞。第一期と第二期を繋ぐエピソードであり、映画館に行かないと話が飛ぶという構成になっている。度し難い。

舞台は第5層。見どころは宿敵ボンドルドとの対決だ。
レグとボンドルドの壮絶なバトル、ジョジョを思わせる頭脳戦が見どころだが、ナナチの苦悩やお約束のえげつない行為もあいかわらず。
特にボンドルドの実験。研究以外にどう使われているのかが明かされ、とても胸が悪くなる。ファンなら「待ってました」というところ。

また、愛と友情を盛り上げるだけ盛り上げて、鑑賞者をアビス(奈落)に突き落とす胸クソ手法は健在だ。プルシアの健気さに涙しないやつは、火葬砲で焼き尽くされればいい。

グロ描写もディ・モールトベネ。皮膚を切り裂き突き立てられる爪は容赦なく、突き刺さる針は体液を吸い取り、切り刻まれる自分の体が見せつけられる。キャラクターの絵柄がかわいらしいだけに、こちらの胃の腑も抉られる。素晴らしい。

ネタバレ。





ボンドルドのなにがえげつないって、アビスの呪いを子どもに肩代わりさせるところ。子どもの手足を切り取り頭と背骨とわずかなはらわたを残し生きたままカートリッジ(容器)に詰める。ボンドルドはカートリッジを装着し、自身の代わりにカートリッジに詰められた子どもをアビスの生け贄に捧げる。子どもたちは死ぬまで呪いを受け続ける。えげつない。こんなこと思いつく作者の頭の中がちょっと外道すぎて尊敬しかない。

構成作家も狂ってる。
プルシア回想シーンはつらすぎて挫けそうになった。そんなに長くする必要ある?
ボンドルドの最期も釈然としない。あんな高潔な感じではスカッとできない。復讐は遂げたが、ボンドルドの呪いに一生つきまとわれる。というかボンドルドはそもそも遺物の傀儡なんだな。実質中身は遺物「ゾアホリック」の意識なのだ。だからあんな人でなしな感覚なのだろう。そんなやつに勝てる気がしないが、ナナチは折り合いをつけたようなのでこれ以上とやかく言うのはやめにする。

さて、これで心置きなく第二期に臨める。
冒険は終わらない。
深獣九

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