あーさん

王様になれのあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

王様になれ(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ロックバンド"the pillows"30周年
アニバーサリーイヤープロジェクト!

例によって、レビューではなくパーソナルな感想となっております。。
主にバスターズ(the pillowsのファン)、邦楽ロックファン以外の方は回れ右!笑



一週間くらい前から毎晩the pillowsの曲を聴いたり、山中さわおの過去のラジオの録音を聴いたり、the pillowsが出演したコアな音楽番組等をネットで観ていて、映画を観終わってからもそれは日課のように続いている。
キリがないくらいたくさんあって、睡眠不足になりそうだ。。楽しい!

こんなの高校生以来⁉︎

高校生の頃ラジオッ娘だった私は、朝練のある運動部なのに勉強もそこそこに夜な夜なラジオを聴いていたから万年睡眠不足だった。なんか懐かしいな。

the pillows のVo./Gt.の山中さわおとの出会いは比較的遅くて、確か2010年以降だったと思う。
当時小学生の息子二人の母になっていた私は、ちょうど大きな病気をした後で家に閉じこもりがちだった。体力も気力も落ちていて人に会うのが億劫になって、、
そんな時私を支えてくれたのは音楽と映画と本、そして家族だった。

気持ちの浮き沈みが激しくて引きこもりがちな私を心配して、こんなの観たら?とか聴いたら?と連絡をしてきてくれる妹は普段とても愛想無しなんだけど、いつになくとても気にかけてくれていた。
その頃のことを考えただけでも胸が詰まってむせび泣いてしまうくらい…
優しい妹がいて心から良かった、、と思う。

そんな妹が大好きなBUMP OF CHICKENの藤原基央くんが敬愛するthe pillows。
彼らの代表曲でもある"ハイブリッドレインボウ"を知ったのもその頃だった。

あんなにジャンプしてギターちゃんと弾けるの?と衝撃だった。動き過ぎやろ!笑
ちょっとやさぐれたクマの人形がビヨビヨビヨン♪となるそのMVがクセになり、何度も聴いた。

"きっとまだ限界なんてこんなもんじゃない
こんなんじゃない"
"昨日まで選ばれなかった僕らでも明日を待ってる"
という歌詞が、先の見えない低い所にいた私の心に響いた。

良い歌やなって思った。

Funny Bunny
スケアクロウ
ストレンジカメレオン
1989
Ride on Shooting Star…
どれも歌詞がグッときて、サウンドがカッコいいよなぁ。。
巻き舌で歌ってるのがWild!

Tokyo Bambi
Ladybird Girl
みたいなかわいい歌も好きなんだけどね♪

歌のエピソードを読んだりする度、the pillowsの歌の世界観に引き込まれて、夢中になって聴き込んだ(けど数が多過ぎていまだに聴ききれない笑)

その後、息子達が読んでいた『SKET DANCE』という人気漫画を通して、私はまた"Funny Bunny"と再会することになる。
"キミの夢が叶うのは誰かのおかげじゃないぜ
風の強い日を選んで走ってきた"
息子達にはいつも"成功した時も周りの人への感謝を忘れたらあかんよ"と言っていた私だが、この歌を聴いて、一番頑張った自分を一番に褒めてあげてもいいんちゃうかなって初めて思った。
さわお、頑張ってる人の心に寄り添うなぁ!

大好きになった映画"スケアクロウ"の中にthe pillowsのメンバーでGt.のピーちゃんこと真鍋吉明とDr.のシンちゃんこと佐藤シンイチロウの姿を観たのもこの頃。
私には、ピーちゃんがアルパチーノ、シンちゃんがジーンハックマンに見えた!
"神様よりキミを信じる"なんて口説かれたら、多少さわおがキレてもわがままでもついて行くしかないよな。。笑

いつの間にか、小学生だった息子は高校生になってバンドを始め、the pillowsを追いかけてフェスに行ったりするようになった。
私はすっかり元気を取り戻し、二人の息子の追っかけとなり、ついでに反抗期と闘い、第二の青春を楽しませてもらった。

一番しんどい時を支えてくれた、たくさんの音楽や映画、家族にはとても感謝している。


さて、映画について。

さわおと20年来の仲のオクイシュージ監督は、実は今作で映画監督デビューということだったが、元々舞台人の彼が色々無理をしてさわおの為に一肌脱いでくれた格好。
比重としては、さわおの原案7割、監督3割らしい。全く、お神輿わっしょい!してもらっているさわおである。
さわおファミリー?というべき後輩や仲の良いミュージシャン達がたくさん出演していて、それも見所。
GLAYのTERUとJIROが"スケアクロウ"を、ストレイテナーのホリエアツシが"ストレンジカメレオン"をフルコーラス弾き語りするシーンは、ファンでなくても必見!鳥肌モノ。。
ちょこっと出てるSHISHAMOが可愛い!

さわおとしては、ドキュメンタリーではなくライブシーンなどの映像も使いながら、それに絡めてあくまでも青春のもがきというか、自分の道を見つけるまでの若者の葛藤の物語を描きたかったという。
未見なのでよくはわからないが、アキ・カウリスマキの"コントラクト・キラー"もどこかしらヒントになっているらしい。

岡山天音がその期待に応える形で、カメラマンを目指す頼りない主人公裕介になりきって、様々な試練を乗り越えて成長するまでを演じている(顔もコアラ顔でさわおと似てる!笑)。

ヒロインのユカリは後東ようこ。
舞台の方で頑張ってる、何となく役と被る女優さん。ロックバンドのライブとか行ったら、絶対にいそうな感じの女の子だなぁ。。

祐介の上司のカメラマン役の岡田義徳のお芝居が、リアルでとても良かった。

監督も祐介の叔父役で出演。
何とも味がある感じだなぁ。。笑

良い写真ってどんな写真?
心に問いかけて、ひと真似じゃない自分の写真が撮れるようになった時、祐介は一人前の写真家になっていけるのだろうな。
そんなことを思った。



the pillowsは同期がミスチル、スピッツ、ウルフルズ、、等と錚々たるミュージシャン達で彼らがドーンと売れて行く中で、自分達を見失いそうになったこともあったという。

その頃のロックシーンはというと、ハイスタンダード、フリッパーズギター、ミッシェルガンエレファント、、これはキツイね。。

でもその中でさわおは、好かれる為にやってるんじゃない、自分達が良いと思ったことを信じてやるだけだとこの30年間やってきた。この映画の祐介と少し被る。
20歳そこそこの頃から50歳過ぎるまで。
長いなぁ、、
一つのことをやり抜いて突っ走ってきた彼らを見ていて、すごいなと思う。
元気とか勇気とか、エネルギーをもらえる。

辛い別れもあったよね、これで良かったのか?って自問自答もきっとあったよね。

でも、常に前を向いて歩いてきた。

そんな彼らの姿が本当に眩しい。。


30周年、本当におめでとう❗️



実は同じ年の同じ日に生まれたさわおのこと、他人とは思えない。

私がもし男だったらこうなってたのなかって思わせてくれるさわおのことを、ずっと追いかけて行こうと思ってる。

来週の横浜アリーナ、行けないけれど、
私は私の持ち場を守る!

ありがとう、そしてこれからもよろしく❗️
あーさん

あーさん