てっぺい

ゴーストバスターズ/アフターライフのてっぺいのレビュー・感想・評価

4.5
【魂が見える映画】
過去作の出演者で惜しくも亡くなった俳優が、ニクイ演出で蘇り、まるでそこにいるように魂が見える。色んな種類の“見える”ゴースト達とのドタバタ劇も顕在で、シリーズを美しくまとめた映画史に残る一本。

◆トリビア
○監督は、大ヒットした初期2作の監督アイバン・ライトマンの息子。(https://eiga.com/amp/movie/90605/)
○ジェイソン監督は、6歳のころに1作目の撮影現場を訪れ、手にしたマシュマロマンのかけらを、ずっと棚にしまっていた。(https://news.yahoo.co.jp/articles/9d58ab94fb7866824ed2e9e4b1dd43275e9884ab)
〇「ゴーストバスターズ」で天才科学者イゴン・スペングラーを演じたハロルド・ライミスは、2014年炎症性血管炎による合併症のため69歳で他界。本作の主人公はその孫という設定。(https://eiga.com/news/20220130/2/)
〇フィービーの兄を演じるフィン・ウォルフハードは、ブレイクしたきっかけとなったNetflixドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」でゴーストバスターズのコスプレを披露していた。(https://www.cinematoday.jp/page/A0008235)
○本作の製作費は7500万ドルで、赤字だったリブート版('16)の1億4400万ドルの約半分。(https://eiga.com/news/20220204/3/)
○ゴーストバスターズ達が乗る車、ECTO‐1を本作で作りなおし、ドリフトができるようにコルヴェットのエンジンを入れた。(https://www.crank-in.net/interview/100394/1)

◆ストーリー
少女フィービーは母や兄とともに、祖父が遺した田舎の古い屋敷に引っ越して来る。ある日フィービーは地下研究室でハイテク装備の数々を発見し、祖父がかつてニューヨークを救ったゴーストバスターズの一員だったことを知る。そんな中、フィービーは床下にあった装置「ゴーストトラップ」を誤って開封してしまう。

◆関連作品
〇「ゴーストバスターズ」('84)(シリーズの元祖作品。プライムビデオで配信中)
〇「ゴーストバスターズ」('16)(女性メンバーによるリブート作品。Netflixで配信中)
○「ゴースト・エージェント/R.I.P.D.」('13)(“『ゴーストバスターズ』と『メン・イン・ブラック』の融合”と評される作品。Netflixで配信中)


◆以下ネタバレ


◆概要
1980年代に世界的ブームを巻き起こした「ゴーストバスターズ」「ゴーストバスターズ2」の続編。
【監督】
「JUNO ジュノ」ジェイソン・ライトマン
【出演】
「gifted ギフテッド」マッケナ・グレイス
「IT イット」シリーズ フィン・ウルフハード
「ゴーン・ガール」キャリー・クーン
「アントマン」シリーズ ポール・ラッド
「ゴーストバスターズ」ビル・マーレイ
「ゴーストバスターズ」ダン・エイクロイド
「ゴーストバスターズ」アーニー・ハドソン
「エイリアン」シガニー・ウィーバー
【公開】2022年2月4日
【上映時間】124分

◆ハロルド・ライミス
彼を弔う映画だった。本作では物語上でも彼は亡くなっていて、でもその意図は“世界を救う”ための、彼にしかできないもの。変人と言われてもそれを貫き通し、娘を愛していたスペングラー博士。彼がライトやエンジンを細工してあたかもそこにいるような演出のみかと思いきや、まさかCGで完全に映像化するとは。「ワイルドスピード SKY MISSION」のラストに登場したポール・ウォーカーのように、映画ファンとしてはこんなに胸熱な演出はない。ゴーストバスターズの4人が並ぶシーンにはもう高ぶって落涙した。

◆過去作への敬意
ウィンストンがビジネスに成功し、レイの本屋のオーナーとなり、ECTO-1を元の納屋に迎え入れるポストクレジット。一斉を風靡した本作を父から譲り受け、それをしっかり受け継ぎ広げて、きちんと結ぶ。親子二代の監督が紡いだ映画シリーズの素晴らしく美しい完結を見るようで、これまた胸が熱くなるラストだった。ゴーザにテラードッグ、マシュマロマンと、往年のファンにも嬉しいキャラを外さないし、署長がファービーに言った「Who you gonna call?」もニヤリもの。YouTubeで過去の映像を見るなんてイマドキな発想もよかった。

◆成長物語
そんな大作映画の完結編(勝手に完結だと思っている)が、初見のファミリーでも楽しめる作りになっているのも素晴らしい。何者でもなかったファービーが、自分の出自を知り、祖父の意志を汲み取りながら活躍していく、単体で見れば本作は彼女の成長物語。勇敢で兄よりも弁が立ち、かわいいけどどこかオタク感も残すあたりのキャラが、“ゴーストバスターズ”感にマッチしていていい。

◆ワクワク感
変人と言われる祖父の家から続々と出てくる謎のアイテムの数々。やたらとメカに詳しいポッドキャスト(車と同じスピードで走ってしまうあのラジコン凄すぎる笑)。自ら装置を直してしまう賢いファービー。少年少女が知恵を駆使して冒険していくあたりは「グーニーズ」にも通じるワクワク感があった。

引用元
https://eiga.com/amp/movie/90605/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ゴーストバスターズ/アフターライフ
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