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ゴーストバスターズ/アフターライフのPikKaのレビュー・感想・評価

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1984年に1作目がアイヴァン・ライトマン監督によって送り出され世界的大ヒットした1作目と、89年に出た2作目。
その正統な続編となるのが本作。

前2作の監督を務めたアイヴァン・ライトマンからバトンを受け継いだのは実の息子さんであるジェイソン・ライトマン。

物語はイゴン・スペングラー(ハロルド・ライミス)が田舎町の自宅で突然亡くなり、彼が遺したボロ家に都会から娘キャリーと孫ふたりが移り住んでくるところから始まり、以降はキャリーの娘フィービーと息子トレヴァーを中心に展開していく。

科学オタクのフィービーが祖父の秘密を知ると同時に、ゴーストの封印を解いてしまい、田舎町がゴーストだらけの大騒動に…。
それをフィービーと仲間たちが新生ゴーストバスターズとして退治していくというストーリー。

敵を含め、1作目から引き継がれたキャラクターや設定もしっかり活きている嬉しさもあります。

マシュマロマンも可愛い!
ミニサイズになって増殖し、わちゃわちゃしている感じが楽しいです。
特にスーパーマーケットでの場面はマシュマロの特性を活かした演出が巧いなぁと。

オリジナル版のイゴン以外の3人のゴーストバスターズたちも当時それを演じた役者が続投し、フィービーたちの危機を救うべく集まる展開にも胸が熱くなりますし、霊体として姿を現したイゴンに対して「現れると思ったよ」と声をかける場面にも涙が出ます。
あの世界観だからこそ無理矢理感がなく、うまく溶け込んでいる展開と映像感。

本作は祖父(イゴン)から孫(フィービー)へ、という継承をテーマにしたものであります。
それと同時に父(アイヴァン監督)から息子(ジェイソン)に。
そして映画界のベテランから、これからの映画界を担う若手役者たちへ…と、バトンを渡しているような雰囲気もあります。

企画発案当時にはビル・マーレイは本作の出演は拒否していたそうですが、やはり過去の確執を乗り越えて昔の仕事仲間たちと再び集まって正統な続編を製作することになったのは、ハロルドが亡くなられたこともあっての弔いのような気持ちもあるのかな…

作品の内外で様々な世代や立場の人たちの継承。
互いに尊敬を抱き、尊重しあいながら、古き良きものを生かしつつ新しさも。
ゴースト退治そのものだけでなく、スペングラー一家の関係性などドラマパートで魅せるストーリー展開も素晴らしかったです。
丁寧に作り込まれているので、観ながら涙が止まらなかった。
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