なべ

ゴーストバスターズ/アフターライフのなべのレビュー・感想・評価

3.8
 これはズルい。そりゃ泣くってば。
 そもそもオリジナルはさほど好きな作品ではないんだけど(ディスクも買ったことないし)、名画座で何度も(じゃない方の映画として)観たし、テレビでやってたらついつい観ちゃう程度にはお馴染みの映画。年に1〜2回しか映画館に行かない人がこぞって足を運ぶその年の大ヒットムービーだったしね。ピンチなときでもジョークを言わないでいられないクソアメリカンなテイストがイラッとくるB級映画なんだけど、いつの間にか万人ウケする古典になってた。
 アフターライフはそんなおバカなノリをノスタルジックなジュヴナイルスタイルにつくり変えて、とてもいい感じに仕上がってる。
 話はあいも変わらずあってないようなものだけど、昔のメカやビークル(サウンドが泣ける)、ゴーストが出てくる度に郷愁スイッチが入る。
 散々懐かしみ値が上がったところで、あの懐かしいゴーザの復活が明らかになるという仕掛け。廃物利用でつくられたアート作品のような出立ちだが、なかなかよくできてる。
 そして、いよいよ絶体絶命ってピンチに、年老いたオリジナルメンバーがしれっと登場するのさ。もうね、自分でも驚くほど涙が出てきた。そんなに好きな映画じゃないにもかかわらず。それくらい観客の心理を巧みに操ってたんだな。
 年老いた彼らが出てきた途端、アメリカンな軽口が吐き出される世界観に変わったのがもう台無しだけどクソ懐かしいw
 懐かしさで観客を泣かせるのはズルい。ぼくらがオリジナルのメンバーをよく知ってるって前提でやってるからね。でもオリジナルのゴーストバスターズよりこっちの方が好きだと思えるくらいにはうまくつくってたと思う。お正月の暇つぶしにはうってつけの作品だった。
 正月から汚い涙かよ!
なべ

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