よしまる

ゴーストバスターズ/アフターライフのよしまるのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

 「スパイダーマンノーウェイホーム」を「トップガンマーヴェリック」を観る前だったら、間違いなく感涙にむせていたところだけれど、同年のその2作品があまりにも出来過ぎだったためにちょっと割を喰ってしまったかな。
 作っている方には申し訳ない気持ちもありつつ。

 子供たちが奮闘するジュブナイルの王道をなぞりつつ、過去のゴーストバスターズの片鱗を少しずつ明かしていくとともに、すでにこの世の中からいなくなったという設定の愛すべきゴーストたちの存在をちらつかせる前半が特に素晴らしい。

 観客はある程度答えをわかっているので、キャデラックやゴーストがいつどんなふうに出てくるのかを今か今かと待ち構える。これまためちゃくちゃハードルが上がってしまうわけで、クライマックスになってついに現れるスペングラー博士以外の3人へと繋がる展開あればこそ、カタルシスへと至る道のりはとてもうまく演出されていたと思う。

 そうしたわかりきったイベントがあって「待ってました」となるから面白い、と言ってしまえば身も蓋もないけれど、このカタルシスを丁寧に消化していたピーターパーカーやマーヴェリックに比べると、3人家族の物語と世界の破滅のスケール感がアンバランスすぎるのか、クライマックスの盛り上がりが弱かったのがもったいなく感じた。

 世界が破滅か?!という最終バトルでマシュマロマン笑という前代未聞のラスボスこそが、ゴーストバスターズを世紀のおバカ映画として成功させた。それに比べると、なんともありきたりなビジュアルで緊迫感もなく、どこにでもいそうな四つ足のケモノに人間体の敵では世界が終わりそうにもないし、うりゃあと気合を入れたら増幅するプロトンビームも感情が乗りにくい。あのバカバカしさは80年代バブル期の象徴でもあったし、いまは時代が違うのかもしれないけれど、地味な感じは否めなかった。

 現れた3人による相変わらずのサタデーナイトライブなノリの軽口トークはめっちゃいい。ただそれってうりゃあ!っていう熱盛りバトルとは相反するモノだから、やっぱりもうちょっと敵を考えて欲しかったなー。無いものねだりかな。

 さて、ボクたちはこの映画が始まる前から博士のひとりが亡くなっていることを知っている。それもまたハードルのはずなんだけれど、こんな形での復活劇にはさすがに驚かされた。ゴーストがいる世界だから当たり前なのに笑

 加えてエンドクレジットのシガニーウィーバー。え?どこ?どこに出てた?と、思って逡巡し始めた瞬間に切り替わって本人出てくるのサイコー!こんなサプライズの仕方もあるんだなぁ〜。

 ダンエイクロイドは、ぜひ劇中で死んで終わりたいとコメントしているそうで、これは終わらせるための映画ではなくて、これから終わりを始めるための映画だと思うと、ラストシーンにもより深みが出る。

 彼らのバカっぷりは、こんなこじんまりとした思い出づくりで終わって欲しくない。ダンエイクロイドとビルマーレイなら、それをやり切ってくれると信じて続編を待ちたい。
 アントマンに続いて31アイスを買ってた笑、ポールラッドもいてくれていいよ。