ひろぽん

ゴーストバスターズ/アフターライフのひろぽんのレビュー・感想・評価

3.6
『ゴーストバスターズ』3作目

都会での生活が苦しく、母と兄の3人で田舎町へと引っ越してきたフィービー。この町では、30年間にわたり原因不明の地震が頻発していた。祖父が遺した古びた屋敷で暮らし始めたフィービーは、祖父の地下研究室で見たことのないハイテク装備の数々を目の当たりにする。祖父がかつてゴーストだらけのニューヨークを救った「ゴーストバスターズ」の一員だったことを知るが、床下でみつけた「ゴーストトラップ」と呼ばれる装置を誤って開封してしまい、不気味な緑色の光が解き放たれ、町ではさらなる異変が起こり始める。町を襲うゴーストたちを捕まえるため奮闘していく物語。

33年の時を経て製作された『ゴーストバスターズ2』の正当な続編。

監督も1、2作目を担当したアイヴァン・ライトマンから、彼の息子のジェイソン・ライトマンへと作品が受け継がれ、父の作品を尊重するような様々なオマージュにはリスペクトと愛が込められている。

今作の主役は、ニューヨークの街をゴーストから救ったゴーストバスターズのメンバーであるイゴン・スペングラー博士のシングルマザーの娘と2人の孫たちが中心となって物語が進んでいく。

舞台は、ニューヨークの小洒落た街からオクラホマ州サマーヴィルのド田舎へと移り変わる。ローラースケートでドライブスルーの商品を受け渡すなど1980年代を想起させるような描写が他にも至る所に散りばめられている。田舎町ということで全体的に古さが上手い具合に表現されていて良かった。

これまでのようなふざけ倒したおバカコメディ全開の作風とは打って変わって、落ち着いたシリアスな印象が強い。前半はまるで『ゴーストバスターズ』とは別の作品なんじゃないかと思うくらい騒がしさがなく静かで退屈だった。だが、埃を被り古びたECTO-1が荒野を走り出し、留置所で"Who you gonna call? "の音楽と共に亡き祖父の仲間の元ゴーストバスターズのメンバーに電話をする展開から激アツでテンション爆上がりした!

巨大なマシュマロマンも可愛くて良いが、今作ではちっちゃなミニマシュマロマンが登場し、可愛すぎて癒された。

テーマとしては「家族の再生の物語」であり、亡きイゴンの疎遠になっても娘に対する愛が感じ取れるシーンは心にグッとくるものがあった。

ゴーストとのバトルでECTO-1の席が外に飛び出し、フィービーは戦闘し、運転が苦手な兄トレヴァーが車を運転しカーチェイスをするシーンが好き。

1作目で登場した破壊神ゴーザなど馴染み深いゴーストたちが登場するところも見どころの一つ。

旧キャストたちのカメオ出演で再集結したり、至る所にオマージュシーンがあって、過去作を視聴してから観ると最高に楽しめると思う。終盤に元ゴーストバスターズのメンバーが集結した時にはテンション上がった。

タイトルのアフターライフの意味は、イゴン・スペングラーの人生を掛けた戦いを描いた作品ということかな。タイトルに相応しい内容だと思う。この作品自体、亡くなってしまったハロルド・ライミスへ捧げる弔いの意味が強いように感じる。

『ゴーストバスターズ』シリーズは新しくなっても旧キャストたちがカメオ出演して毎回登場してくれる粋な演出があるから素敵。

やっぱりPARKER JR.の『GHOSTBUSTERS』の曲は最高♪

エンドロールまで楽しめるのが良き。既視感ある小ネタが味わい深い。

過去作を観てから視聴することをオススメする作品。感慨深い演出が多々あって楽しめる。
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