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劇場版 ガンダム Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイターのRUNPENのレビュー・感想・評価

4.0
GのレコンギスタはTVシリーズの頃から注目して全話視聴(もちろん関連書籍も読む)
まずは富野作品であり便宜上ガンダムと名がついているがガンダムだと思って観ない方がいい 歴代ガンダム作品のような戦争事がメインの物語ではないからだ

Gレコとは挫折知らずの飛び級優等生ベルリ君が、約束されたエリートのレールを外れて「自分はなんでもできる」と思い込んだ結果、色々やらかし挫折しまくりながらすごく遠い宇宙の果てまで行って地球に帰ってくるってのがメインストーリー。 その他の各キャラクター達もそれぞれの考えや想いで行動していて、なんだかんだ皆でリギルドセンチュリーの世界を旅する冒険活劇アニメである(その過程で戦争の真似事はする)

ベルリ達の生きるリギルドセンチュリーとは人類が絶滅しそうな状況からなんとか生き延びて徐々に繁栄を取り戻しつつ1000年弱たった頃で運用している宇宙エレベーターや化学技術は前世紀の遺産で、そういう技術を発展させる事は宗教によって禁じられている
なのでそもそも戦争できるような兵器や技術など無かったはずなのだが10数年前から何者かがタブーを破り兵器を建造し始め見様見真似で人類が戦争を始めだした不穏な時代

エリート候補生のベルリは宇宙海賊の女アイーダに一目惚れしてしまいそれをきっかけに今まで知ろうともしてなかった広い世の中を知ってくことになるわけだが…

ってこの世界の背景、劇中ほとんど説明されない!ここが敷居を高くしている事は否めない。 だがキャラクターのセリフを追っていくと「数年続くアメリアとゴンドワンの大陸間戦争」だとか「ヘルメスの薔薇の設計図がばらまかれた」だとか「人類が絶滅しかけてクンタラが生まれた」だとか要所要所で色々言っているんだが初見ではそれが結びつくはずもなく、わからないって人が続出する気持ちもまぁわからないでもない

がしかし富野由悠季作品の面白さはこの世界構築にあると私は思っているのでTVオンエア当時必死になって追いかけた
するとどうだ、なんと緻密な世界設定!見た事ない世界を見せてくれる富野アニメ
これを調べるだけでも非常に楽しい
第一部では地球とキャピタルタワーしか出てこないがこの先宇宙に出てスペースコロニーよりももっとすごい世界が現れる
ベルリ達と共に行く空想未来の社会見学だ(道中MSで殺し合いもしちゃうが)

本編のみで理解できないことを批判する気持ちもこれまたわからないでもないがこの架空の世界観がしっかりしてる事は大切で初代ガンダムが40年も持ちこたえてる理由は富野監督の宇宙世紀の世界構築にあるのでは?数えきれない後付け設定に初代ガンダムが耐えうるのもそういう事だろう

そんな世界を旅するキャラクター達も観ていて楽しい やってることは結構悲惨なんだがリギルドセンチュリーの人間達は皆明るい というか良くも悪くもあっけらかんとしている Gレコには本当の悪者、というか明確な敵がいない そういった所もわかりにくい理由かもしれない

明るくかわいいキャラクター達と個性的なMSと迫力ある戦闘シーンにTVシリーズ初視聴の時は「わけわかんないけどめっちゃオモロい!!」となったわけで
劇場版から入った人もこれからTV版も観るという人も「わけわからんけど面白いな」と思ったあなたは是非色々と掘り下げてGレコの世界にハマって欲しい
さまざまな発見や込められたメッセージを観るたびに想像できるはずだ

劇場版Gのレコンギスタ
TVシリーズ共々合わせて観てさらに楽しいファンタジーアニメーションである





余談だが「子供向けと言いながら子供に理解できるわけがない」などという批判は全く的外れだ まして「わかりやすくするべき」なんてのは子供をナメてるとしか思えんね

本作「Gのレコンギスタ」に限らずフィルマークスやネット界隈の映画やアニメや漫画のレビューで「わからない」ので「つまらない」さらには「ちゃんと見ていない」などと平然と言いその上その作品を酷評、というか見下す文章が散見されるがどれも見るに耐えない
そんなモノはレビューでもなんでもなく感想にすらなってないただの悪意に感じる
電脳世界の普及による個人的感情がダダ漏れの現代なのでそんなモノ読まなきゃいいだけの話なんですが。
レ(re)ビュー(view)の言葉が表すとうり、もう一度見る何回も見る、別に実際に何度も見なくても頭の中で何回も考える事で出てくる感想や意見を読みたい
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