じーふい

劇場版 ガンダム Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイターのじーふいのレビュー・感想・評価

5.0
富野由悠季の遺作になると思って試聴し続けたTVシリーズのGのレコンギスタ(以下「Gレコ」)。その結果はお世辞にも成功とは言い難いものだった。難解なストーリー、主人公たちの魅力の無さ、それは散々な言われようだった。ご本人も最終回後に出演したラジオで申し訳なさそうに語っていたのが印象的だった。あぁ富野もこれで終わりなのか、、そう思っていた。

その数年後本作の制作が発表された。冗談だと思った。が、富野監督のメディア露出が一気に増え、自信満々に全5部作であることを語っていた。御年78歳とは思えないバイタリティである。栄光ある成功した宇宙世紀モノには手を出さず、自身の直近の"失敗作"であるGレコに再び命を吹き込む決意が感じられた。このままでは終われない。富野監督もそう思ったのだろう。

蓋を開けてみると、Gレコに含まれていた魅力が爆発していた。まず本作の主題を少年の原罪と初恋に据えたことで、キャラクターの言動が理解できるようになった。そして一つ一つの演出が大胆なものと注意していないと見逃してしまうものとのバランスが良く誰でも楽しめるようになった。

想定を遥かに上回る作品に仕上がっていた。間違いなくガンダム最高傑作の1つになるだろう。

今作は、ガンダムにこれまで触れたことがない人へのはじめのガンダムとして何が相応しいかの答えになるだろう。

今作が社会現象になるまでのヒットになることを切に願う。
じーふい

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