にくそん

魔女がいっぱいのにくそんのネタバレレビュー・内容・結末

魔女がいっぱい(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

主人公たちが魔女の力で動物や虫に変えられてしまった場合、最後には元に戻ってめでたしめでたしになるのがお決まりだと思うし、そういう結末に楽々導けたはずなのにそうしなかったところに、監督の意図があるのかなーと思った。人生って思いもよらぬ変化があるけど、自分が幸せを感じられたらそれでいいじゃん、正解なんかないじゃん、というメッセージなのかな。

ホテル側の人種差別は何かもっとがっつり触れたりやっつけたりする場面が来るかなと思ったけど、特にそれはなく、最後に従業員たちにお金を渡しながらお大尽のように去っていくという小さいカタルシスがあるぐらいだった。あと、スタンリー・トゥッチが演じた支配人がさんざんな目に遭うっていう。おばあちゃんの咳が出る病気も、ただ病気だなっていうだけで後の展開に一切つながらない。ブルーノの親はネズミ嫌いを乗り越えて息子に愛を注いだりしないし、デイジーが元はどんな姿をしていたのかも映さない。そういう映画の作り方自体も「ほら、自由!」「ルールなんかないんだ!」と言いたげだった。

今年は新型コロナウイルスでそれこそ世界やみんなの生活や人生が予期せぬ変わり方をしているので、案外いま見るといい映画かもしれない。

とか言いながら私は、アン・ハサウェイの大魔女に夢中だった。ビジュアル絶好調なのに特殊メイクやらCGやらでえらいことになっていて、アン・ハサウェイ何してんねんと思ったら笑えてしょうがなかった。張り切って巻き舌やりまくってるし。なんかこう、かわいいよね、アン・ハサウェイ。「ゴーリック」のところも好き。オーシャンズ8のときもそうだったけど、大魔女の空回り感が、嫌われアンのキャラクターとマッチしていて楽しい。私は好きだよ、アン・ハサウェイ。

オクタヴィア・スペンサー演じるおばあちゃんの衣装も料理もダンスも素敵だったなあ。コーンブレッドの前に勧めてた、子どもに食べさせるにしてはスパイシーそうなチキン、本当においしそうだった。
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