奥

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ーの奥のレビュー・感想・評価

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)
3.5
「中」にいながら「外」にいる医療者には、決して見えていない世界が、ここには描かれている作品。

描けた理想と描けない現実。

一人ひとりの人生を丁寧に描こうと思ったら、2時間の映画では到底収まりきらない。

それまでどう生きてきたのか、病気を発症したことにどんな意味があるのか、そのことで人生がどうなってしまったのか、なぜそんなことをするに至ったのか、そこに至るまでの物語は、想像するしかないし、あるいは想像さえしないかもしれない。

人が精神のバランスを崩すのは、弱いからじゃない。
むしろ人としてのまともな感性があるからではないか。そんなことを感じさせてくれる作品です。

ボロボロだけれど、美しい。って言葉にすると陳腐に。やっぱり語るより、観て感じる映画です。

温かく、こんな時代に一筋の希望を感じさせてくれる作品でした。
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