マ

ストーリーテリングのマのレビュー・感想・評価

ストーリーテリング(2001年製作の映画)
4.4
視聴者を一切信用してないのか、最初に主なテーマをガッツリ説明してから"映画"を始める変な構成。現実の醜悪さ、美しさを含む複雑性は、それぞれが(良い意味でも悪い意味でも)内面化して生きているハズなのに、フィクションとしてソレを提示されると観客は途端に"現実"を他人事として語り出す。
コレを現代的に 冷笑に頼らず より力強く描いたのが「アメリカン・フィクション」。ならこの作品 というかトッド・ソロンズの事を考えると、やっぱめちゃくちゃ優しい人なんだと思う。

クリエイターとしてある程度自分の作るモノを俯瞰した上で、冷笑や露悪は節度を持ってドライにやる。同性愛に対してはあまり露悪が無くて、サラッと 割と自然なものとして描かれてるのは、ソレこそ現実のグロテスクさに対する冷笑 露悪として作品を作る姿勢から出てくるモノ。映画が語る事はシンプル、「ストーリーテリング」によって現実が歪む事への失望が混じった笑い。
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