真っ黒こげ太郎

Dry Blood(原題)の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

Dry Blood(原題)(2017年製作の映画)
4.0
滴る血…。

これは夢か、現実か!?

麻薬の幻覚か、山荘の悪霊か、それとも…。




重度のアル中でヤク中でもあるダメ男のブライアン。
彼は麻薬中毒を克服するために、友人アナの協力の元、田舎の別荘に滞在することにした。
友人アナも別荘に住み込んで、2人で協力して麻薬断ちしようとしていた。

しかし、地元の保安官に目を付けられ、しつこく付きまとわれてしまう。
その時のストレスで、未練がましく隠し持っていた麻薬を服用してしまう。
そしてそれ以降、ブライアンは毎晩おぞましい幻覚に悩まされてしまう。
最初は麻薬の中毒症状に思われたが、幻覚は日ごとに激しさを増してゆく。
そしてブライアンの精神が限界寸前になったその時…。




麻薬断ちしようとする男が、謎の幻覚に襲われる、オカルト・ホラー。
原題表記のまんまではありますが、「ドライブラッド」のタイトルでGEO先行リリースされてます。
まぁ、何時もの事ですね。フィルマさんはもっとGEOの情報を反映して、どうぞ。w

ま~そんなこんなで、例によって血みどろな映画と聞いてレンタル。
んで今作、かなりクセの強い一作でありましたが、俺は楽しめました。


お話は「麻薬断ちしようとする男が、幻覚か悪霊かどっちか分からないお化けに恐怖する」という展開。
なんですが、その脅かし方が「悪霊みたいなのが主人公の前に出てきて、主人公を脅かすだけ」と、イマイチな感じ。
「主人公が見てるのが幻覚か悪霊か」「幻覚で苦しむ主人公の苦悩」等のドラマ方面はベタながらそんなに悪くは無かったので退屈はしなかったのですが、グロ描写も殆どないので今回はハズレかなぁとガックリさせられた。


しかし、ラスト20分で急激に血みどろ率が濃くなり一気にイカレたバイオレンス祭りに!!!
残酷描写は全体的にかなーり生々しく、主演の人のイカレた演技も凄まじい!!!
血みどろ描写は終盤に固まってましたが、良い感じのグロ描写でございました。


そしてラストには今まで見た幻覚の正体や、主人公が見てきたアレコレの正体が明らかになります。
ただ、これが時系列をかなり弄った感じなので、最初は「え?どういう事なん?」とチョイ混乱した。
そんで今作の仕掛けに関してだが、よくよく思い出すとドラマ重視にな前半部でもしっかり伏線が貼ってあったことに気づいた。
(ゴミ箱の中のゴミとか、ヘアリボンを持って「これは現実なんだな」と嘆くシーンとか。)



そんなこんなで本編のタネが分かると中々面白かったですね。
ただ、今作はかなり時系列をいじくってるし、主人公の目線に合わせて麻薬中毒者みたいな支離滅裂な描き方をしてるので、見てて結構混乱しましたね。
ラスト20分までは子供騙しなホラー演出オンリーだし、真相もしっかり見てないと分からないので、かなり人を選ぶ内容だと思います。


しかし、ラストの種明かしを含めて、個人的には中々楽しめる作品でした。
人を選ぶので万人にはオススメできませんが、GEO先行のスプラッター物の中では十分アタリだと思います。