せいか

メトロポリスのせいかのレビュー・感想・評価

メトロポリス(1927年製作の映画)
2.0
6.22、数日かけて試聴。スタッフがノベライズも出している作品なので、そちらも読んでおいたほうが良い。
通常国内で出回っているのはカットされたもので、最初はそちらの英語版を観ていたが、ちぐはぐさが気になり、第二幕からはネット上のアーカイヴにあった3時間40分程度のドイツ語字幕のものを一応観ていた(この長さでも明らかに消失したカットごあるらしいのは随所に感じるのと、こんなに長いのはフレームレートを自然なスピードに直しているため。結局どの版を元にしてるのかは分からん)。ちなみに本作はパプリックドメインなので問題ない。アメリカに渡ったときにカットされたのが多分大きな原因となって、おかげさまでいろんな長さのものが存在する作品である。何がなにやら分からない。

確かにその後のディストピア系SFの映像表現とか内容の重要な系譜に連なる作品だなあとずっと感じながら観ていた。
上の住人にしろ、下の住人にしろ、とことんこれでもかと「愚かな大衆」を演じていた。手と頭と心が結びついて終わるそんなオズの物語的な希望のある終わりをしてはいる。つぎはもっとうまくいくといいわね……。

人型マシンにディストピア世界がかき回されて悪徳がさらけ出されるとか好きなのだけど(マリアの皮を被って目覚めるシーンとかかっこいい)、もう少しそこに踏み込んで欲しかったような気もするけど、サイレント映画の描写だとあれ以上踏み込んでもごちゃごちゃするだけなのかもしれない。

あと、悪徳の栄えダンスシーンの腰つきとか、マリア役の人の目のでかさとか、ラストのマリアが自力で握力と腕力のままにあそこから這い上がってるらしいのとか、支配者役の人がタイプだったなとか、そんなことも思いました。
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