TaiRa

作戦コード“ウィ”とシューリクのその他の冒険のTaiRaのレビュー・感想・評価

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ソ連〜ロシアで国民的人気の喜劇。第二話が超絶。

基本的にはサイレント期のスラップスティック現代版で、殆ど台詞もなくベタなドタバタに巻き込まれる真面目な学生シューリクを描くオムニバス。第一話は電車でお年寄りに席を譲らなかった偏屈おじさんとシューリクが揉めた結果、労働奉仕の現場で鉢合わせてシッチャカメッチャカするだけの喜劇。『トムとジェリー』をそのまま人間に置き換えたみたいなギャグの連打。コマ落とし使ってサイレント映画を再現。追い掛けっこが段々と戦争になっていくのもしょうもなくて楽しい。服を奪われたおじさんがアダモちゃんみたいになっちゃう展開、20世紀の喜劇って感じ。基本的にはドリフとかと同じ様な笑い。第二話は試験当日にノート見せてくれる人いなくて困ってるシューリクが、知らない女子生徒についてっちゃう話。無我夢中で勉強してるから誰と一緒にいるか分かってない二人の可笑しさ。ここでもコマ落とし使ったスムーズなギャグ連打が楽しい。前半と後半で同じ場所をもう一巡するのが良く出来てるし脚本が上手い。試験後に再会した彼女に「一目惚れ」(当人たちは直前に一緒にいた事認識してないので)するバカバカしさ。クライマックスの「この部屋来たことがある!」からの超能力テストに流れるやり取りが最高に可愛い。オチの付け方も完璧。第三話はポンコツ強盗団と警備の仕事を代行したシューリクが鉢合わせするドタバタ。これも典型的なやつなのでこれと言って斬新な部分もないが、ただの楽しいやつ。『ホーム・アローン』的な筋で剣戟とかやってみる感じ。国民的っていうだけあって人を選ばない楽しい作品。
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