Yuuki

サバハのYuukiのレビュー・感想・評価

サバハ(2019年製作の映画)
4.0
1999年、とある村で双子の少女が産まれるが、妹は姉に足をかじられており、さらに姉は血だらけで醜い姿で穢れて「悪鬼」と忌み嫌われ出生届を提出されずに実家に幽閉された。そこから10年以上あと、宗教詐欺を取材するパク牧師は怪しい宗教団体・鹿野苑の調査を開始するが、次第にヤバすぎる闇に飲み込まれていく。果たしてどうなる?な話

ネトフリ韓国オカルトミステリーホラー。宗教観や信仰など難しく繊細なテーマを扱ってるものの、脚本がよく練られておりグイグイ引き込まれていきました。つまりめちゃおもろい、ということ…。忌み嫌われた姉妹に始まり不審点が多い宗教施設鹿野苑、コンクリートの中に埋められていた女の子の死体、悪夢にうなされながらある任務を遂行する密教の「四天王」と呼ばれる男達、そして捜査線上に浮かび上がるキム・ジェソクという男の存在など、点と点が繋がって一つの線になり、その先にある人の常識を超えたただならぬ実態が明らかになっていくまでの探偵パートがめちゃくちゃ緻密で興味深きの連続な構成。その先にあるスーパーナチュラルなフィクションをフィクションだと思わせない圧倒的な説得力!

ホラー描写もなかなか気持ちが悪く、オープニングで姉妹の出産シーンでは邪悪な存在すぎて近くの家畜が死にまくったり、天井から薄汚い子供の悪霊が天井からヒタヒタと迫ってきたり、納屋の奥に幽閉された悪鬼と忌み嫌われた姉のただならぬインパクト…。脚本も緻密ながら見た目の恐ろしさ・凶々しさもかなりクオリティでものすごく見応えがありました。固有名詞が結構ややこしくてかなり集中してないと置いてかれてしまうので、気合い入れて見た方がいいかもです

さらに細かい固有名詞の元ネタや蛇や指に関するモチーフ、セリフや状況などの様々な考察はこちらの方のレビューがかなり詳しいので、見た後に補足で読むと「ほほぉ〜」となりました。合わせてどうぞ
https://filmarks.com/movies/82768/reviews/67537455
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