くりふ

オンネリとアンネリとひみつのさくせんのくりふのレビュー・感想・評価

4.0
【やんごとなき娘にやることできた】

アマプラ見放題にて。シリーズ3作目だが、私はこれが一番よかった。心地よさばかり追う少女向けドラッグムービーから一歩、踏み出しているから。

1作目から3年経ったが、主演の2人が急に…伸びた!w 原作だと変わらず7歳の設定だろうが、演じる2人は実年齢13歳くらいだものね…。原色コーデだとギャルにも見えるよ。

そんな2人が相変わらず消費のみして遊び暮らしている。『ひなぎく』かよ。何やってんだこいつらと思うが、そんな暮らしが板についてきて貫禄さえ醸し、少女貴族みたいだ。

で、ヒマな貴族だから、ノブレス・オブリージュっぽいことやってみるのが今回のお話。

2人は最早、血の通った人間には見えない。よく言えばスーパーヒロインみたいなもの。

だから、今までは居なかったヴィランが登場するのね。或る場所で子供たちを“監禁”する、中々の好敵手オバちゃん。プラスサイズならではの立ち姿美も披露してくれます。

子供として子供を助けないといけない、と、遊び暮らす貴族ギャルズが“はたらくおこさん”と化すのが本筋。まずここがよかった。まあ、はたらくも、ノリはおんなじですが。

で、“さくせん”に、映画ならではのエッジが立ってきた。はじめのチューチュー作戦のチューチューアクションが、もお、すんばらしいよ!何あのチチとした動き!眼が笑う!

オンネリもアンネリも、ふわふわ幼女に近かったのが、少女の身体として重みが出てきたね。その体を張った物語とうまく同期している。自分でリスクを背負うのが今回の美点。

そして、ヴィランを退治するのではなく、斜めにふわふわ“アッチ”に向かわせる。コレ、本シリーズの温度に合ってて感心しちゃった。“さくせん”通りだったとは思えないけど。w

ちなみに原作が書かれたのは1971年らしいが、あの“ウフォー”はブームになる頃で、納得!

で、締めは夢想に溺れ終わるのでなく、現実の問題をふと、解決しているのがいいよね!

原作がいいのか、映画化のアレンジがいいのか、作り手が慣れてきて、映画ならではの話法を見つけたのか…わかりませんが、何にせよ3作中、私はコレがいちばんよかった!

ところで個人的な感覚ですが、“さくせん”最後の要となる煩いアレ…わたしゃ『フレッシュ・ゴードン』が始まったかと。“燃え盛る”を熟女と少女が与えると屹立してモザイク要るかと焦った!…まあソコからは、アルベール・ラモリス風に夢想化してホッとしたけど。

そして、4作目は日本公開されていないようですね。主演2人が交代したせいかな?やっぱり、育ちすぎたのが原因で?もしかして2代目はうまく、嵌らなかったのかもしれませんね。

<2023.11.19記>
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