うみぼうず

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場のうみぼうずのレビュー・感想・評価

3.5
有酸素運動鑑賞シリーズ。
1月中旬頃から分割して観ていたが、最近運動サボっていて久々の運動で鑑賞となり、図らずも気づいたらタイムリーな映画に。
本作を観るまで冬戦争・継続戦争については昔聞いたかなぁ程度の知識しかなかったが、特に冬戦争の経緯は今のウクライナ侵攻と奇しくも非常に合致する。

映画自体は地味ながら派手という不思議な表現になる。タイトル通り特に英雄が一騎当千の働きをするわけではなく、フィンランド軍の様々なバックグラウンドを持った兵士たちの物語。ゆえに、誰が主人公的存在か、誰の視点でみるか感情移入するかなどは少し戸惑う。
しかしそれが戦場のリアル。人の生き死にはドラマチックには表されず淡々と映し出される。前述の通りなのでめちゃくちゃ誰かの気持ちになり感情移入して涙する…というより戦争、戦闘から逃れられない運命に翻弄されるフィンランド人の総意のようなものを感じる。

一方で戦闘シーンの迫力はすごい。一説によると火薬量はギネス記録だとか。派手な爆破というよりリアルな爆破、そしてリアルな怪我、リアルな死。戦闘シーンを見たさに観るよりも、戦争の虚しさと痛ましさを感じる作品だと思う。
敵は人間ではないと思わないとやってられないし、戦う理由は我が家に帰りたいだけなんだと。

願わくば、このような経験をする人たちが少しでも少なくなってくれればと思う。
うみぼうず

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