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燃えよ剣のmitakosamaのレビュー・感想・評価

燃えよ剣(2021年製作の映画)
3.2
スカパーにて。今や大型時代劇映画を唯一撮れる監督となった原田眞人による新選組。
個人的な感想としては“置きにいった”感がを強く感じたな。

先ず冒頭でタイトル『燃えよ剣』のサブで『BARAGAKI』とある。そして全体の構成として箱館戦争での土方が過去を振り返るという体裁を取っている。
「昔の俺はバラガキだったぜ」と振り返る内容はあれだ、永ちゃんの成り上がりだ(笑)

物語はバラガキだった土方が試衛館の近藤と共に徳川警護のために京に行き浪士隊となるところから。荒くれ者の芹沢を暗殺し。池田屋事件を制するが、伊東甲子太郎一派の加入で隊が分裂。徳川による大政奉還により劣勢となり鳥羽伏見で敗走。戊辰戦争にて戦死…
とかなり深くまで掘り下げてる。

先ず、2時間半もあるので青年期からの土方を最後まで描ききっている事に注目だ。
大概の新選組映画って1時間30〜50分くらいの尺で、池田屋をメインにするか鳥羽伏見をラストにするので、決して全ては描ききらない。戊辰戦争まで描いてるのってあまり記憶が無いんだよな。
クライマックスを上手く見繕って何処を省略するかが編集のセンスだとも思うのだがいかがだろうか?個人的にはやはり長く感じてしまう。

それに各人物のキャラクター付けが妙にステレオタイプだと思ったんだよな。
土方は気性が荒く凶暴。芹沢は無法者。沖田は病弱で色白の美少年。近藤は愚直だが単純。山南はインテリ。伊東は策士。
よく言えば世間の新選組のイメージに忠実だし、悪くいえば意外性が何も無かった。

その中で唯一、異質なキャラクターが柴崎コウ演じるヒロインお雪だ。
一応司馬遼太郎のオリキャラらしいのだが、この女性がグイグイ物語に絡んで来る。その姿が妙に現代的でリベラルな雰囲気で時代に即さないように見える。また柴崎コウがスタイルが良すぎるので、彼女だけ現代からタイムスリップしてきたみたいに着物が似合わない(笑)
昨今の邦画は恋愛劇を絡ませないとイケない不文律があるようだが、そもそも新選組と恋愛劇は相性が悪いのよね。

あと、鈴木亮平がデカすぎて岡田准一と並ぶと頭一つ違う(笑)岡田准一にセッチュウ乗せてやれよ(笑)
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