デッカード

燃えよ剣のデッカードのレビュー・感想・評価

燃えよ剣(2021年製作の映画)
3.0
激動の幕末を新選組鬼の副長土方歳三の視点で描く。

岡田准一が独自の道を突き進む土方をまっすぐに演じる。
多摩の百姓から京に上り独自のケンカ剣法と新しい時代の武士道を追求するストイックな土方歳三を岡田准一が渾身の演技で見せる。
岡田自身が考証した殺陣も見事。

物語はあくまで土方の目線で描かれているが、会津藩と藩主の松平容保の悲劇もしっかり描かれている。
徳川慶喜と松平春嶽を松平容保に全て泥を被らせた奸物として糾弾するシーンもあり、会津藩の悲劇を際立たせる。

新選組内部では特に土方と沖田総司との関係性が丁寧に描かれていて印象的。
山田涼介が幼さを残しながら剣豪の迫力を醸し出す沖田総司を好演している。

芹沢鴨暗殺、池田屋事件、油小路事件、鳥羽伏見の戦い、五稜郭戦争などの描写はいずれもリアルで、特に池田屋での斬り合いシーンの迫力は特筆もの。

お雪の存在は賛否あるかもしれないが、土方の波乱の人生において唯一の救いとして必要だったか?
好みの分かれるところかも。
土方歳三は本当に死んだのか?お雪との未来も想像させる。

土方は新時代を作れる人間だったのか?
それとも最後の武士だったのか?
それを問いかける作品。

原田眞人監督作品としては私は好きです。
デッカード

デッカード