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嘘八百 京町ロワイヤルの福福吉吉のレビュー・感想・評価

嘘八百 京町ロワイヤル(2019年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
小池則夫(中井貴一)は京都で古美術店を営んでいた。その古美術店に橘志野という女性(広末涼子)が父の形見の茶器を騙し取られたと相談に訪れる。則夫は女性への下心もあって陶芸家の野田佐輔(佐々木蔵之介)と組んで贋作で騙して本物の茶器を取り戻す作戦を実行する。

◆感想◆
「噓八百」(2018年)の続編となります。本作だけでも充分に楽しめると思います。

古美術商の小池則夫と陶芸家の野田佐輔が組んで、あくどい商売をする古美術商を贋作で騙して成敗するというコメディ作品となっており、タイトルどおり、嘘だらけで固められた登場人物たちの駆け引きが面白い作品となっています。

小池則夫は知識が豊富ながら騙されることが多く、また、少なからず正義感があってそれが邪魔をして最後に損をすることが多いキャラクターとなっており、見栄を張る姿が印象的です。

一方、野田佐輔は過去に贋作づくりで生計を立てていたが、現在は自身の作品を作るべく努力する真面目なキャラクターになっています。則夫と比べ、冷静に状況を判断できる人物で、則夫を止める役割を果たすことが多いです。

本作のキー・パーソンである橘志野は最初にとてもしとやかな京美人として則夫の前に現れますが、佐輔が彼女の本性を見抜き、悪女としての本性を現す面白いキャラクターになっています。彼女は外見上、本心を現さないので、則夫は彼女に心を惹かれてカッコつけの部分がよく出ていて、作品に緩急をつける良いキャラクターでした。

今回のターゲットになる古美術商の嵐山堂の主人、嵐山直矢(加藤雅也)は鑑定家の億野(竜雷太)と組んで、贋作で金を儲ける拝金主義者として描かれており、本作ならではの憎まれ役ながらコミカルで観ていて楽しい人物になっています。古美術への愛情が薄く、父から受け継いだ古美術商をただ金を儲けるための道具にしており、これが則夫・佐輔の闘争心に火をつけました。

脇を固める登場人物たちも個性的で面白いキャラクターばかりで、ターゲットに罠にはめる最中でも自己主張して危うくバレそうになる展開もなかなか面白かったです。

前作同様、コテコテのコメディ作品となっており、最初から最後まで細かい笑いの連続になっており、なかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2023年12月13日
鑑賞方法:CS 日本映画専門チャンネル
(録画日:2023年1月19日)
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