大倉くんの顔面然り醸し出す雰囲気や台詞のひとつひとつから、クズだと分かっててものめり込んでしまう理由がわかる気がする。それを追って追って振り回される登場人物たちの図が、こういうなんとも言えない不条理な人間関係、結構あるよな〜とすごく現実的に感じた。
BL漫画原作ということで下手したらお花畑な薄っぺらい作品になってしまうこともあったのではと勝手ながら思ったけど、行定監督の男性ながらも繊細な感性と手腕によって、れっきとした素敵で深い映画作品になっていた。
無機質なコンクリート壁のマンションの一室に差し込む光と揺れる青いカーテン。残された灰皿と消えない思い。
じんわりと響いてくるものがあった。
