鮭にゃん

窮鼠はチーズの夢を見るの鮭にゃんのレビュー・感想・評価

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
2.0
原作の大ファンだったので鑑賞。
正直言うと、原作好きとしては評価し難い映画でした。
意外に評価されているようで驚きです。
原作を知らず映画だけ観ていると、話は別なのかもしれません。

映画化にあたり、「原作のうまみ」が完全に別物にすり替えられている気がしてしまい、残念な気持ちになりました。
(それが良いか悪いかは、個人の好みですね)

個人的に、水城せとな作品の良さは
【狂おしいほどの恋心(執着)とそこからの解脱】
であると思っています。

本作品(原作)で言うと、
■執拗なまでの今ヶ瀬の恋心(もはや愛なのかも判らない。ただの執着心?)
がミソ。
原作ラストでは今ヶ瀬はそこから「解脱する」(執着心から解放される)のが匂わされていて、
つまりこの作品(原作)は結局のところ、
原作たまきの言うように、「恭一の片思い」の物語なのだ、と。

その点本映画では、それが濁されてしまい、
主題のすり替えのように感じてしまった次第です。
原作好きとしては、この映像の美しさと空気感で、原作をそのまま味わいたかった…。

とはいえ映画と原作は別のコンテンツなので、
この映画ならではの良さは、もう一度冷静に鑑賞して探したいと思います。
初回鑑賞時の感想としては「恭一がサイコパス」と「今ヶ瀬が芯のないメンヘラになってる」でした。原作とは別人と心得てもう一度観ます!
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