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窮鼠はチーズの夢を見るの話せばわかるのレビュー・感想・評価

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
2.5
原作を既読してるので映画が全くの別物になっていて泡吹いた。特にラストが!
ウィットに富んだ会話劇と人間の真理をついた心理描写が見事に描かれているのが原作の魅力である。それが全く生かされていない…この映画はモノローグが皆無だったのだ。そういった場合は通常、役者の力量が大事になってくるのだろうが、メイン二人の芝居は問題なかった。むしろ良かった。この役者たちで原作通りのストーリーだったらなぁと考えざるを得ず、いっそう残念な気持ちにさせられた。

この映画のタイトルを原作と変えてくれたらよかったのに。そうしたら、ちょっと展開の早い気もするエモい恋愛映画だったなーでモヤついた気持ちにならなかった。タイトルが同じだから脳裏に浮かんで比較してしまうのだ。

この映画を観て得られたものがあるとするなら、“原作に思い入れのある作品の実写化を観るのはよく考えてからにしろ”という教訓になったことだろう。