イチロヲ

実録(秘)通勤痴女日記のイチロヲのレビュー・感想・評価

実録(秘)通勤痴女日記(1976年製作の映画)
3.5
立場が異なる4人の女性たちが、逆痴漢行為の麻薬的な魅力に取り憑かれていく。女性主導の性倒錯をコミカルに描いている、日活ロマンポルノ。ユニバースプロ製作。

登場する女性陣は、華道の家元、女教師、女子高生、修道女の4人。性に興味津々な若い娘からアダルトな淑女まで、多様な顔ぶれが性欲一直線へと舵を取り始める。とりわけ、他人の野外セックスを女性視点で覗き見るシークエンスが出色。

地下鉄車両内の痴漢シーンでは、当時の新宿駅と満員電車の模様が映像に記録されている。スタッフが鉄壁ガードしているゲリラ撮影であり、どこまでがスタッフなのか判別できないところがスゴイ。最後の最後で返り討ちに遭う、久保新二にも笑わせられる。

初期シンセサウンドとラウンジ系のスキャットが無駄にカッコよく、谷岡ヤスジの挿絵も効果的に使用されている。「ピンクからの買い上げ品が安定して面白い」という、リアルタイム世代の言葉を理解することができる作品。
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