寝るのだいじ

フォードvsフェラーリの寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

敵は内部にいる。実話。
世の言う胸糞映画より胸糞である。

<概要>
・フェラーリは全然出てこない。フォードが生産量は勝るし売上もあるが、技術はフェラーリの方が上の為、フォードが買収を持ち掛ける。それをプライドで断っただけ。

・町の板金屋のケンは凄腕ドライバー。
親友でフォードのデザイナー(?)のシェルビーに頼まれたケンは、フォードチームのレーサーを頼まれる。
・ケンの板金屋は借金多額で差押を食らう。
・車の知識も豊富なケンは、レーシングカーのアドバイスもしながらフォードと共に車を作り上げ、ドライバーとしても次々とコースレコードを塗り替える。

・レースでトップ3台をフォードが独占。ケンがダントツ。
ケンは元々協調性の無さから疎まれてきたが、これまでレーサーとして認めてくれたフォードや信じてくれたシェルビーの顔を立てようと、わざわざ待って、社長に頼まれた通り3台同時フィニッシュに協力。華やかなゴール写真が撮れるし車も売れる効果がある。
・しかしそれぞれのスタート位置が違った為、同時フィニッシュでもスタート位置が遠かったフォードの他の人が優勝扱いとなる。ケンは優勝になるはずだったのに、位置の関係でと根回しされはめられた。
・人の役に立てたこと、レーサーとして認められたこと、家族に愛されレーサーの賞金で差押を止められたことなど、嬉しい気持ちも沢山ありつつ、悔しさからか、大好きな車の中で自殺。


<所感>
・車かっこいいし、臨場感のあるカメラワークでとても素敵で気持ち良い。

・1960年頃の話みたいなので、シェルビーは知らないがケンは帰還兵だった。街も栄えていたし、車のレースをするくらいには潤っていたアメリカの様子を見ると、戦争後焼野原だった日本視点からでは難しい気持ちになる。
・ケンとシェルビーがなぜ親友だったのかバックボーンも伝えてほしかった。

・ケンは優勝さえできなかったものの、タイムレコードが優秀だったので、名を残せた。シェルビーもデザイナーとして名を残している。
・この映画はフォードの悪どい戦略や、フェラーリの傲慢な態度など、大手自動車メーカーの印象が悪くなる。
その上でケンとシェルビーを描いている。制作の目的がわからない。ただの伝記としては、二人の関係性もよくわからないこともあり不完全に感じる。