KnightsofOdessa

フォードvsフェラーリのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.0
[『下町ロケット』を想像してたんだが…] 80点

携帯を封印した理由が"マンゴールドのメッセージ"という糞ほどどうでもいいビデオのためで、しかも上映前に長々と当たり障りのないトークショーするという地獄の時間を経て、私の心は液体ヘリウムレベルに冷え込んだ。今回なんか折角車に詳しい人呼んでるのに"車の描写が凄い"としか言えてなくて可哀想だったし、上映後に"あのシーンのあの描写がプロとしてはグッと来る"とか言われたらもう一度見たいと思う気がするけどなぁ。残念ですね。

さて肝心の映画は中々楽しめた。レースシーンなんか同じようなカットの羅列だった気もするが、テンポが良くて気にならなかった(カメラが右にいくと車の尻が画面右から左に、ってシーンが何度も出てきた。スター・ウォーズかよ)。ただ、レース中は裏方が全然フェアじゃない戦いをしていて、それが結果には作用しないものの、見てて心地のいいものではなかった。フェラーリ側が妨害工作とかしてたならまだしも、ただ王者ってだけでイタズラするのはスポーツマンシップ的にどうなのか。

私が期待してたのは技術屋とドライバーの話で、どれくらい軽くするかとかどれくらいパワーを出すかとかという話だったんだけど、そこらへんの話は"速くなる改造をしたら速くなりました"という感じで 、本筋は技術屋のボスがどうやってレースを舐め腐ってる重役とやりあうかという話だった。とはいえ、それだけで引っ張るわけにもいかないので、微妙に技術屋の話も登場する。そのへんの軸足の揺れが気になったが、レースシーンで吹っ飛んだ。そんな感じの映画だった。
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